ヒロウミ さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
テンポ良し、波風立たぬストーリーに配役、設定ミスは単純で。
悪くないけど良くもなく、ひとつ抜けた絵の上手さと演者の弱さが仇となる。
P.A.WORKSには珍しいロボット作品。前情報なく見始めたがやはり絵はキレイ。緻密かつ繊細に描かれた背景や安定したキャラクター、惜しみ無いCG。迫力あるバトルシーンもそこそこに楽しめ安易に安アニメに陥ることなく最終話まで全力投球している作風は流石と言ったところか。
ただしストーリー設定、展開、バトル展開が非常に退屈。いわゆる異星人対地球人の構造なのだが序盤の異星人の謎が多すぎて後半の伏線の回収が壮大な設定の割には陳腐。すっごい散らかしたのにキャラクターの心情変化も玉虫色できっかけ無しな展開に妥当性もなくショボい畳み方するもんだから終盤にグッとくるものもなかった。
更には戦争ものの割には双方の勢力の政治的背景に触れず話がメインキャラクターたちだけのものであり狭い。そんな劣悪な展開で日常シーンが多い割合を占めておりキャラクターの心情変化や状勢変化に時間を割くべきところを緩い展開にしてしまっているのでまぁ退屈退屈。大事なことなので二度と言いました。
特にヒロインの母親キャラクターが頭悪い設定丸出し感がひどく、地球サイドに大きな影響をもたらすはずなのに影響がなかったり空気なキャラクターのわりには前にすんごい出てくるし、司令官は尻軽すぎるし安っぽいんだよなぁ。サブキャラクターにも同じことが言えて絡めたそうなストーリー展開のくせに結局空気で無意味感が超強い。
ストーリーが陥没し抑揚が無くなった作品となってしまったからこそ余計にキレイな絵と表情描写に追い付けない中の人たちも並みの演技に感じてしまいイマイチ盛り上がらない。演者の技量の問題なのか演出の勘違いでこうなったのかは分からないがとっても残念。
止めに初見ではそれなりにカッコ良く見えたロボットやバトルシーンも地味なチャンバラごっこばかりで中盤にはすでにお腹一杯。手足がやたら生えるだけで全くロマンが足りず凝ってるつもりなのだろうが「へ~」で終わってしまった。
GLAYが2クールOPを歌っておりED、劇中音楽含めカッコいいしキレイな絵だしベースのストーリーやテンポは良いものなのになーにも盛り上がらないストーリーの枝葉、単一展開なバトル、地味な演者、チープな落ちは全てサムライ設定の悪さが元となってしまったのだろう。ハイテクノロジーの異星人ですらサムライと同じ土俵に上げてしまった無理矢理感と設定の軽さはこの作品の致命的欠陥。
ロボットがチープなコードギアスや物語に嘘臭い愛を語りまくるエウレカシリーズに比べたら見易いものの単調な作風は毒にも薬にもならなかった。そんな作品。
あーもったいない。