「盾の勇者の成り上がり(TVアニメ動画)」

総合得点
88.4
感想・評価
1178
棚に入れた
5543
ランキング
115
★★★★☆ 3.7 (1178)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.6
キャラ
3.7

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

不信、疑念、猜疑心、世界中すべてが敵

この作品の原作は未読です。
ですが、序盤からこの作品の虜になり…気付いたら今期トップクラスの面白さを誇る作品だったと思います。


ごく平凡なオタク大学生・岩谷尚文は、
図書館で出会った1冊の本に導かれ異世界へと召喚されてしまう。
与えられた使命は、剣、槍、弓、盾をまとう四聖勇者の一人「盾の勇者」として、
世界に混沌をもたらす災い「波」を振り払うこと。

大冒険に胸を膨らませ、仲間とともに旅立った尚文。
ところが、出発から数日目にして裏切りに遭い、金も立場もすべて失ってしまう。

他人を信じられなくなった尚文は奴隷の少女・ラフタリアを使役し、
並に、世界に、立ち向かおうとするが…。
果たして、この絶望的状況を打破することはできるのか?

すべてを失った男の成り上がりファンタジー、開幕。


公式HPのINTRODUCTIONを引用させて頂きました。

ネットでも評価の高いこの作品ですが、物語の展開が秀逸なので高い評価も納得です。
一番は尚文の置かれた状況が半端ないこと…

異世界召喚…勇者…オタクにとっては心地良さしか感じられない単語です。
誰もが一度は夢見た英雄を目指すことができるとあっては俄然力も入ります。
だから当然、尚文にもそういう道が目の前に開かれているとばかり思っていました。

でも、公式HPのINTRODUCTIONに記載されている通り、陰謀と策略によって尚文は全てを失ってしまうんです。
お金は失って取り戻すことができます。
でも、人々の心に深く刻まれた「悪」としてのレッテルはそう簡単に取り戻すことはできません。
尚文が失った立場とはそういう類のモノ…

それだけではありません。
尚文は「盾の勇者」です。
盾の使い手である尚文は、危険から人を守ることができます。
でも、逆に言うと「守ることしかできない」んです。
これは自力で状況を変えられない、いうことと同義なんです。
これがどれほど歯痒いことなのか、少し考えれば分かると思います。

ですが、尚文の転落はとどまることを知りませんでした。
自分を支えてくれるのは奴隷として使役しているラフタリアだけ…
尚文は人としての道を外れることは決してありません。
ですが、どんなに善行を積んでも誰も評価してくれないんです。

尚文がこんな状況に陥った原因…
彼を貶めようと姑息な手段を講じる人も居ましたが、一番は尚文以外の四聖勇者の頭が可愛そうなくらい残念だったことにほかなりません。

少し考えれば分かることなのに…
その先を考えれば自ずと答えに辿り着けるというのに…
あと一歩のところで思考が停止しちゃうんですよね。
見ているこっちまで尚文の歯痒さが伝わってきましたよ。

でもこれで終わる尚文ではありませんでした。
ラフタリアに続きフィーロが仲間となりました。
それに尚文たちの立ち振る舞いをしっかり見ていてくれた人がちゃんと居たんです。

何度も勇者であることを辞めようとしました。
なぜこんなにも自分を貶める人々を救わなければいかないのか、本気で悩んだこともありました。
ですが、災いである波は容赦なく襲い掛かってきます。
四聖勇者じゃなければな波の進行を食い止めることはできません。

これは尚文がどん底から成り上がる物語…
ただ単に波の進行を食い止めれば良い、という単純な物語ではありませんでした。
生きる覚悟を問われました…
でもその先で見たのは溢れんばかりの精一杯…
ずっと言いたくて…でも言えなくて…堰を切ったように感情をぶつけてくるラフタリアに涙で前が見えなくなりました。

こんな気持ちになれるエンディングが待っていたなんて…
これだからアニメは止められないんですよね。
作画も綺麗、声優陣も半端ない布陣、作り手の気合が感じられる「不可の無い作品」だったのではないでしょうか。
気になる方は是非本編でご確認頂ければと思います。

オープニングテーマは、MADKIDさんの「RISE」と「FAITH」
エンディングテーマは、藤川千愛さんの「きみの名前」と「あたしが隣にいるうちに」
どの曲も通勤中に聞いていましたが、個人的には後半の曲が好みでした。

2クール全25話の物語でした。
毎週の視聴が楽しみで堪らない作品でした。
ネットでは早くも円盤の売上枚数の予測や原作のストックなどから続編に関する情報が飛び交っています。
それだけ続編の制作が希望されていると額面通りに受け取って良いんだと思います。

この作品の前に「異世界カルテット」のレビューを書きましたが、あちらは総シリーズ累計1600万部超と公式HPに記載されていましたが、この作品は単独で780万部を突破しているのだそうです(2019年6月時点)。
原作を含め、この作品の人気の高さを物語っているのだと思います。
続編…期待しています!

投稿 : 2019/06/30
閲覧 : 290
サンキュー:

31

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