みみい さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
意欲作(6/28追記あり)
1月から2クール全話視聴。
最近は2クールも枠がもらえず、消化不良やむなしといった作品が多い中、さすがの手塚治虫のブランド力といったところか。
もともとこの作品は手塚作品の中でも特に中途半端に終わってしまった感が否めず、原作をなぞるだけではなんとも心もとない。しかし、今回のスタッフは手塚先生の本来やりたかったと思われるテーマを斟酌し(間違っているかもだけど)、ストーリー、キャラ設定などを良改変した点は評価できる。特に浅田弘幸さんのキャラデザは私的にはとても好みだった。
まず第1話での神作画と神演出で一気に期待度アップ。傑作の予感を感じた。
しかし、5、6話の澪編をピークに失速を始める。
それでも、多宝丸のキャラで1クール目までは持ちこたえるが、2クール目から凡作に。
1話完結であっても、ラストへ繋ぐ全体の流れ、テーマ性を持って欲しかった。
唯一、寿海との再会回は良かったが、他は………。作画も荒れていて苦痛すら感じた。鬼神の設定もぶれ始め最初の勢いは何処へやら。
ラストは上手くまとめてきたが、それまでのストーリーの積み上がっていないため、本来感動する場面も、心に響くはずのセリフも空々しく感じてしまった。
最終話だけでいうなら、脚本は上手くまとめた感があるが、なんだろう絵コンテ?演出の問題か?。同じ脚本でも、アクションシーンと心情演出のバランスが違ったら、もっと良かったかもと思う。{netabare} 百鬼丸が一人で考えこんでる云々と、琵琶丸とどろろが話していたが、ここはやはり、セリフで説明するより、百鬼丸の様子を、表情を映像で見せてなんぼだと思う。そうすれば、景光との絡みも深みが増したのではないか。 {/netabare}
とはいえ、いくらラストが良くなったとして、途中がイマイチではなんの意味もない。
まだ、全体としては良かったのに、ラストが駆け足になってイマイチな作品の方がまだマシである。
最初の期待値が大きかっただけに、残念極まりないが、今期アニメの中では良作の部類に入ると思う。
少なくとも、こうして感想を書きたくなるほどのものはあったわけだから。
後日談を望む声はあるが、これはここで完結してこそだと思う。続きは各人の妄想で(笑)。