透明猫 さんの感想・評価
4.9
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ひと冬の切なすぎる思い出
以前にOPをYOUTUBEで見て、曲自体や情感あふれる画作りが気に入っていたのですが、本編も期待以上でした。
丁寧な背景描写や心理描写のおかげで、物語へ完全に没入。
「睡眠時間ちょっと削っても次観るかな」となったのは久々です。
乃絵は精神的に幼いのに哲学的、ピュアなのに鋭い、という感じで、
とにかく可愛くて仕方ない……お気に入りのキャラクターになりました。
キャラに対する賛否両論(主に眞一郎と比呂美に対して)があるようですが、
私は乃絵派でありながら全ての登場人物が愛おしいです。
{netabare}
比呂美も、眞一郎を繋ぎ止めようとして自宅でケーキを出したりして可愛い。
小ズルい所が、いじらしくて良いです。
この作品のラストについては、
乃絵が「涙を取り戻す」と言った時点で予感していたし、
構造的にも最も無理がない着地だと思うのですが、
乃絵派の私としては、やはりラストシーンは悲しすぎてキツかったですね。
雷轟丸の墓。崩れて読めない石の文字。後ろ姿を長回し。風に舞う涙。
(さらに、最愛の兄も離れていってしまったし……)
OP曲がバックで流れていなければ、バッドエンドかと見紛います。
勿論「涙を取り戻し、精神的な成長と自立を果たした」という考え方も分かりますが……
(仮に乃絵が男キャラだったと考えたら、その成長の必然性はスンナリ呑み込めます)
兎角、後半部分において先の読めない展開にしようとして、
ミスリードさせる演出(踊りの最中、瞳の中に乃絵、など)を盛り込んだ事が、
遺恨を残したように感じます。
いっその事、9話を分岐点にして
「true tears if」を制作してくれたら良いのになあ。
ウサギが車道に飛び出さず、バイクが事故らなかった世界で、乃絵ルートへ。
乃絵が落ち込んだり飛び降りたりせず、乃絵の笑顔がいっぱい見られるバージョンの9~13話。
最後に取り戻した涙は、嬉し涙でした。……とか。
(こんなのOVAで出たら定価でも買っちゃいますよ!)
{/netabare}
そして、OPに惹かれて視聴した本作ですが、最終的にEDが大好きになりました。
郷愁と優しさを感じる曲で、もはやイントロだけで泣けます。
(少年アシベ風になった登場キャラが可愛らしく歩いて来る画は謎ですw)