Gz さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
アメリカンで実写的で少女漫画系の物語だった
湯浅政明の新作アニメ映画ということでこれは観に行かない訳にはいかないなと思った。
湯浅さんの恋愛作品って自分が観た中だと「夜明け告げるルーのうた」がそれに当たるのかもしれないけど本作はまた毛色が違った。話は吉田玲子も関わってるということでルーに近い展開が随所に感じられた。本作のコンセプトは一見するとストレートなラブストーリー×ファンタジーなんだけど実写で取り入れそうな表現がふんだんに盛り込まれている。
メインスタッフで注目すべき点
・たまこラブストーリーでは胸キュンさせてくれた脚本家の吉田玲子
・フリフラでは存在感を魅せつつ奇抜なキャラデを担当した小島崇史
・リトルウィッチアカデミアでは美しい世界観を見事に表現してくれた音楽の大島ミチル
{netabare}
主人公は一応、男の方の港なんだけどひな子視点で話が進んでいるので自分はひな子の物語だと感じた。
それもそのはず女の主人公であるひな子がヒーローこと港と出会い恋愛して不慮の事故で死別し、それをどうやって乗り越え成長していくかを「きみと、波にのれたら」というタイトルで表現しているからだ。
これは震災や津波で被災者をひな子という女性に置き換えて考えることもできる。
この映画はGENERATIONS from EXILE TRIBEの主題歌が半分を占めるくらい口ずさんだり流れたりするので、この曲が嫌いだったりダブル主人公の二人のイチャイチャが不快に感じる人は本作に適合できないと言えるだろう。
好きなシーンが数多くあり箇条書きでまとめると
・花火の火事や消防士のシーン
・海の綺麗な夕日
・海沿いのお洒落なカフェ
・冬のキャンプの息づかい
・外でのオムライスやコーヒー
・千葉ポートタワーでのデートやその後の展開
・洋子が山葵に告白するシーン
・山葵のセリフ「先輩はもういないんです」
・ひな子のラストシーンの波乗り
{/netabare}
本作は90分という尺の中に夏や冬といった季節感を取り入れており時間の進み方が結構早いのでテンポがすごく良かった。終始明るいテンション内容が進められてるため見終わった後も爽やかな気持ちでいられた。
辛いことが起こって時には挫けるけど周りの人たちに支えられたり、前向きな気持ちで一生懸命生きていくひな子の健気な姿に胸を打たれた良い作品でした。