うどんこ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
今作のアニメーションは、鯨のソングだ。
映像を見ているだけで、涙が出そうになったのは初めて。
私、映画を見て泣く時は、大体キャラクターに感情移入して泣くのだけれど、この作品は、圧倒的な自然現象の表現だけで、泣かされかけた。
鯨は音波で、感じたことをそのまま伝えられる、と考えられている。それを「ソング」と呼ぶ。
今作のアニメーションは、鯨のソングだ。
ルカが、台風の中、自転車で、崖沿いの道を下っているシーン。
半端じゃない大雨、どんどん強くなる、空間すべてが雨粒で覆われているんじゃないか?そう感じると水の中にいる!魚が自分の横を泳いでいる!次第に雨は弱まって、雲の裂け目から、強烈な日が差してくる。
この一連のシーンで、思わず涙がこみ上げてきた。
ルカが感じたこと、脳裏によぎったものを、直接アニメーションにしている。
ここまで書いて気付いたけれど、結局俺は、ルカに感情移入していたようだ。ルカの感じたスペクタクルを追体験して感動していた、ということか。
それでも、他の作品では、キャラクターの境遇や、葛藤によって感動するから、今作は特別。
以下、散文的感想
声がつくことによって、海くん、空くんが、ふつうの男の子みたいになっていて、違うとおもった。海くん、空くんには、もっとも身近な神秘であってほしかった。漫画ならば、声は自分の頭の中で、なんとなく、だましだまし作れるけれど、生身の子供の声がついてしまうと、身体性をおびてしまい、神秘から離れてしまった。キャラクターに声を当てるのは、アニメにするには避けて通れない事だから仕方がないのだけれど...。
アングラードと、ジムと、ババアが、普通に日本語を話していたのも違和感。ジムとババアの絵柄が、外国人にしか見えない外国人なのに、普通の日本語なのが違和感。
海、空、ルカの三人が、めちゃくちゃでかい白長靴を履いて、ルカのお母さんから逃げるシーンが、すごく可愛いくて好き。
ムービーウォッチメンの評論コーナー聞いても、投稿メールの数が少なめ。
キャラ萌えアニメじゃないと売れないのだろうか。作画オタクのパイはそんなに少ないのか...。
ツイッターで感想をあさっていると、稲垣五郎、久石嬢、米津玄師・・・、そればっかり。アニメ見にきてるんだろ?なんなの・・・?
アングラードの髪がバサバサでかわいかった。