二足歩行したくない さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
流れる映像はほぼ仕事中のシーン
P.A.WORKS制作のお仕事アニメ。
アニメ業界を舞台にした作品で、制作進行や監督、音響、アニメーター、作監、CG制作から声優まで、ありとあらゆるアニメに関わる人々が奮闘して、1本のアニメ作品を完成させるに至るまでをアニメ化した作品です。
武蔵野アニメーションというアニメ制作会社が主な舞台となっていて、高校生時にアニメ同好会で作品を作っていた仲良し5人組が、それぞれの位置でアニメに関わる仕事に就いて各々苦労する内容になっており、日常やホビーなんて数カット、流れる映像はほぼ仕事中のシーンという社会人が主役のガチ労働アニメとなっています。
何が面白いだそんなアニメと思いそうですが、これがめちゃくちゃ面白かったです。
出来上がったアニメを観賞して我々は監督がどうとかシナリオがどうとか、声優が、作画がと言いますが、その裏にはこれだけの人が関わり、走り回って、時には怨嗟の鬼を上げながら作っているんだなということを実感させてくれました。
アニメ制作って大変なんだなと思うと同時に、その面白さ、みんなで1本の作品を作り上げた時の押し寄せてくる感覚が伝わってくる作品でした。
アニメでありながらアニメ業界が赤裸々に描かれている、かなり冒険的な内容だと思います。
我々はアニメを見ますが、好きなのは作品で、クレジットに流れる人々が何をしている方なのか正確に知らず、アニメ制作の段取りやスケジュール感なども、それに関わる仕事を実際にしている方でもない限り知らないわけで、アニメ好きといってもアニメ自体のことは実は詳しくなかったりします。
当然、アニメを楽しむのにそんな事に詳しくなる必要はないのですが、本作はそこにメスが入ります。
人によっては知りたくない、アニメは葦牙のように無から萌え出ずるもので人が作っているなんて考えたくもない層もいるかもしれませんが、そうではないんだよ、アニメはいろんな人が集まって、何度も会議をして、決めて進めてたまには衝突してできる、血肉の通ったものなんだよという現実を見せられる作品です。
とはいえ、本作もアニメなので、女の子はかわいいしキャラクターは大袈裟でコミカルなので、シリアスな展開が続くという訳では無く、肩肘張らずに、気楽に楽しむことができます。
非常に楽しい作品でした。
そして、最後は感動しました。素晴らしい作品だと思います。