STONE さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
経済メインのファンタジー
原作は未読。
主にメインキャラであるクラフト・ロレンスとホロの旅を描いているためにロードムービー形式になっている。
ふと思ったが、アメリカなどに較べて日本はロードムービー作品が少ない印象がある。時代劇を入れると話は変わってくるけど。
国土の狭さゆえに旅による非日常性が感じられにくいからかな?と思ったりしたが、そういう点ではアニメよるファンタジー世界を舞台にしたロードムービーというのはなかなかいいやり方なんじゃないかと。
ファンタジーと書いてしまったが、ホロのような獣の存在以外は魔法があったり、魔物やモンスターが跋扈するわけでもなく、史実とは違う中世ヨーロッパ的世界を描きたかったのかなという感じ。
そういう意味では架空歴史ものといったニュアンスが強い。
主人公であるロレンスが商人ゆえに他作品に較べて直接的なバトルやアクションは少なめで、戦うにしても商戦のようなものが多い。
そのために主に描かれるのが経済。但し、ロレンスが一介の商人に過ぎないため、この世界のマクロ的経済を描くといった類のものではなく、一商人が見たミクロ的経済といった感じ。
このロレンスだが、際立って頭脳明晰というわけでもなく、最近流行りの作品群のように現代の経済知識を持って異世界からやってきたわけでもないため、作品世界の経済を変えていくという展開にはならず、むしろ現況の取引に色々と苦労する始末。
加えて相棒?のホロも賢狼を自称するも人間の経済に長けているわけでもなく、決して冴えているわけではない二人があがきながら、なんとかトラブルを乗り越えていくのが見どころの一つといった印象。
作品の醍醐味自体はストーリー展開の中にあるものより、旅の道中の二人の軽妙なやり取りにあるような感じで、特に大人びた感じと幼さが同居しているホロがなかなか魅力的。
BGMが中世ヨーロッパ的雰囲気を醸し出すのにいいアクセントになっているみたい。
2019/06/16