「海獣の子供(アニメ映画)」

総合得点
71.2
感想・評価
129
棚に入れた
537
ランキング
1402
★★★★☆ 3.7 (129)
物語
3.5
作画
4.3
声優
3.5
音楽
4.0
キャラ
3.5

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ぽ~か~ふぇいす さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.0 作画 : 5.0 声優 : 2.5 音楽 : 5.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

精緻な映像美と玄妙な音楽が奏でる圧倒的スペクタクル

原作未読

劇場へ足を運んできましたがこれはすごい

海とそこに生息する生き物たちの描写が本当に美しい
イメージとしてはNHKあたりでやってる海洋ドキュメンタリー
その中でもCMに使うようなハイライト映像を
生き物の数と種類を思いっきり増やして
解像度をぐっとクリアにしたようなイメージです

もちろん史料価値に重きを置くドキュメンタリー映像と
アーティスティックな劇場アニメを
美しさなんていう物差しで比較するのが
いかにナンセンスかは理解しているつもりですが
それでもやはりあの手の番組が多く放送されているのは
ある種の環境映像的な需要あってのことだと思うのです
私も含めてそういったものが好きな人種にとっては
本当に格別の映像でした

そしてその映像に寄り添う久石譲の劇伴がまた素晴らしい・・・

しかし手放しに褒められる点ばかりではありませんでした
まず物語に関しては非常に評価が難しいです
何をテーマにしているのかはわかるのですが
終盤に関しては何を伝えたいのか理解するのが困難で
断片的に提示されるワードからぼんやりと読み解くのが限界でした

言葉に依存したコミュニケーションの限界
みたいなものがテーマの一つにあって
クライマックスはセリフを極限まで削って
言語への依存からの脱却を図っていました

しかし映像だけの世界から
そこに描かれているものを読み取るのが
非常に困難な作りになっていて
必要最低限挿入される説明台詞が
映像を理解するための命綱になっていました

言葉に依存しないコミュニケーション
をテーマにした作品を観に行ったはずが
コミュニケーションの中心にあるのはやっぱり言葉なんだなと
言葉の有り難みをこの上なく実感されられたのは
なんとも皮肉な話です

声優に関しては森崎ウィンが特にひどかった
けどまぁインタビューをみるにできていない実感はあるようで
またやってみたいか?という質問に
「簡単にやります! というのはやめようかなと(笑)。実写の芝居でもままならないのに、声だけなんて難しいです。もう少し役者として成長した上でもう一回やってみたいです」
と返していたのは好印象でした

EDの米津玄師がまた
幻想的な映像と非常にマッチしていて
最後は晴れやかで清々しい気持ちでスクリーンを後にしたので
劇場体験としては十分満足のいくものでした

しかしこの作品をしばらくして
金曜ロードショーあたりで観ても
たいていの人は「なんだかよくわからん」
で終わる気がします
劇場で観てこその映画だと思うので
気になるなら必ず劇場に足を運ぶことをお勧めします

投稿 : 2019/06/15
閲覧 : 307
サンキュー:

26

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