たわし(爆豪) さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
世界や社会はそもそも「理不尽」
「この世界の片隅に」でかなり名を馳せた片渕監督ですが、この監督の共通している概念は「世界はそもそもがデタラメであり理不尽そのもの」という認識です。
残酷で理不尽な世界感に身を寄せている主人公像であり、何かしらの心の「傷」があるのも特徴で、ほとんど主人公のメンタルケアが作品を取りまとめています。
「世界はそもそもデタラメである。」というのは、社会学者の宮台真司先生からの引用ですが、
この世の中は「正義」や「悪」といったわかりやすい概念も、「清廉潔白」な人物もいない「混沌」としているのが「社会」であるという主張であり、現代人が皆、抱える「神経症」でもあるという認識が非常に強いです。
ここ数十年のアニメコンテンツも、極度に「オタク化」(萌えアニメやイケメン系のアニメ)にするか、「神経症」を患わっているかのごとくダークな内容(「デビルマン クライベイビー」「進撃の巨人」「デスノート」「コードギアス」)がヒットすることが多いので、極端になってしまいがちなのが、見て取れます。まあ、どんなコンテンツもその社会を代表するものなので当たり前と言ってしまえばそれまでですが、そろそろ新しい基軸を兼ね備えた表現が出てきてもおかしくないのですが、現状はそうも上手くはいかないのが世の中というものだと思います。