瀬名 さんの感想・評価
2.4
物語 : 1.0
作画 : 2.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
なんの魅力もない主人公
台湾人作家が原作の漫画で、台湾では連載中らしいですが、日本では完結したという作品です。
ある配信サイトで、もうすぐ配信終了してしまうので観てみました。
結論、つまらなかったです(^^;)
というか、主人公のヴィクトがあまりにも魅力なさすぎる。
時間を奪われ、見た目は若いのに39歳、記憶も奪われているので多少幼いのは仕方がないのかなとは思います。
でも、実の息子が自分には大して関係ないのに父親のために一緒にクロノスルーラーとして計(敵の名前)を倒す戦いに身を投じているというのに、失った両親にばかり気を取られてウジウジしまくり。
失ったものより、目の前に残っている実子の方が大切なのではないのか?
いつまでも子供みたいに「母さん母さん」と現実を見ずに、息子の意見は全否定。
いくら記憶を失っているにしても、霧(息子の名前)に対して酷い対応しすぎでは。
そして、ヴィクトの妻だと登場したミーナも、ダーリンダーリンとヴィクトばかりで、自分が産んだ息子との再会にはちっとも感動も何もしていない。
こいつ、本当にヴィクトの妻なの?
と、登場時、あまりに霧を蔑ろにしていたので疑いしか感じませんでした。
なのに、結局実の母親だと判明。
終盤のバトルで、あんなに邪険にしていた息子をいきなり守り出したりする。
「バカ息子!」とか言ってましたけど、こんな恋愛脳でヴィクトばかりにお熱な母親に、バカ息子なんて言われたくないでしょう。
少なくとも霧はバカ真面目ではありますが、やっていることは真っ当です。
バカなのはどう見てもヴィクトの方でしょう。
こいつにどんな魅力があるのかさっぱりわかりませんでした。
母親を失うのが耐えられずにウジウジ悩み、迷い、泣きまくっていたヴィクトが、最後のバトルでいきなり息子を大事そうにして、唯一の相棒かのごとく共闘する。
正直、感動とかよりもなんて調子のいい奴なのだろうと、本当に苦手なキャラだなと感じました。主人公なのに。
自分の両親のことでそんなに必死になっているのに、自分が作った家族のことは二の次。そんな主人公に、どんな魅力を見出せというのでしょうか?
ヴィクトの母親はそれは良い母親でしたが、ヴィクトの両親に比べて霧の両親は目も当てられない。
ヴィクトといいミーナといい、実の両親のくせに霧のことを、都合よく扱いすぎなのでは?
終始、霧が不憫に感じました。
作画などについてですが、減速や加速など、戦闘のデザインは悪くなかったです。
ストーリーの合間合間に文章を入れたりして、オシャレな雰囲気を目指しているのが伝わってきますが、そのオシャレな雰囲気に内容が追いついていないし、作画も追いついていない。
意識をデザインや雰囲気に割きすぎて、他がおざなりになっていた印象です。
だから、そのオシャレ感も空ぶっています。
空に放っていた光線が屈折して地上に降ってとんでもない攻撃をしていましたが、それどんな原理?
なんで空にはなたれたレーザーが地上に降ってくるの?
肉体が完全に消えたはずのヴィクトは、なぜか復活するし、ご都合主義も目立つ。
そしてバトルも全く迫力がない。
フレイズと敵の爺さんの戦いなんて、酷すぎて笑けてくるほどです。
予告ムービーとかを先に観ており、厨二っぽい設定だなと思いつつ少しは期待していただけに残念すぎる内容でした。
こんな酷評するつもりもなかったのですが、ちょっと酷すぎる。
唯一良かったのは、ベテランが揃った声優陣。
ヴィクトは福山潤さん、霧は石川界人さん、ミーナは釘宮理恵さん、今回ラスボスになった敵のアイクスは中田譲治さんと、うまい声優さんが揃っています。
内容、作画共に酷かった作品を、まだ観れるものにしてくれたのは声優さんの力が大きいように思えます。
全13話で、結果何も解決せずに終了していますが、続編をやる予定はあるのでしょうか。
次があるとしたら、ヴィクトはもう過去を精算したということで、もう少し格好良くなった、父親らしい魅力のある人物になっていればいいのですが。
原作を知らないので、そこはなんとも言えませんね。