鰺鱒 さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ああ、やっぱり
がるぱんは いいぞ。
おそらく劇場公開作品への誘導をかねた形でdアニメに復活したので、久しぶりに通しで視聴。
誰にでもお薦めできるかと言えば疑問符が付くが、掴みで入っていけるなら、そのまま観て欲しい。戦車に詳しい必要は全くない。僕自身、ミリタリは好きだけど戦車は守備範囲外です。
華道や合気道に混じって「戦車道」なるものが淑女の嗜みとして存在する世界。格技とかと同じような、授業の一貫としてその戦車道がある世界。「安全には十分配慮されている」けど、怪我の心配があったり、(毎回)眼鏡が割れたりする戦車道がある世界。そして「道」であるが故に「家元」がある戦車道がある世界。
学校は、学園艦なるスケール無視した空母のような船の上にあり、学校はおろか街までまるごと船の上。対外試合は陸上で行われるけど、砲撃やら追突・衝突による損害は補償されるようだし、戦車道場とも言うべき廃墟化した街がそこらにある。そんな世界でのお話。
実に緩く、そしてなにより訳がわからない。しかしながら、作品世界を成立させるに必要十分な設定。世界観の設定なんて、これでいいんだと思います。ちゃんと明示してくれさえすれば(とはいっても、車外に体を晒すのは恐いし、変だと思う)。
このわけわからん世界観を、過不足なく説明していった(。。。は、嘘だな。有耶無耶の内に何となく押しつけた、かな?)最初の四話あたりの作り方は見事だったと思います。あとはもう、1視聴者として作品世界にされるがままでした。
一人一人の物語の上に、戦車というチームで操縦するものだからこその物語があり、それを含んだ隊としての物語があり、対戦相手・試合・大会を通した物語がある。全部のチームにそれぞれの役割があり、見せ場がある。。。そのすべてが絶妙のバランスで展開されていたように感じた。そう感じてしまった。
狙った結果が戦車なのか、戦車にしたからこうなったのかは知らないが、戦車・チームで人員をまとめるという構成も、初期状態で総勢二十名強という大所帯を把握する上で有利に働いたと思われる。初期で五台、決勝戦で八台ならば、そこそこ把握可能な数字と思う(いや、カモさん忘れがちですがね)。個別の人員は、たとえばカバさんチームのカエサル、と、階層を降りていけばアクセスも容易。
敵味方含めてどの選手、どのチームも素敵だけど、アヒルさんチームとウサギさんチームはとりわけ大好き。
「つまりは根性!」で締める割には思考も指示も的確(ただし行動は根性)なキャプテン率いるバレー部アヒルチーム。プラウダ戦での「そぉれそれそれ~」はなぜだか鳥肌ものでした。
校内試合、エキジビションと敵前逃亡を繰り返しながら、その後は一戦ごとに著しい成長をみせたウサギさんチーム。決勝戦での活躍には思わず涙が出てしまった。「一年なめんな!」
繰り返すしかない。
がるぱんは、いいぞ。
[2019/06/14 v1]
[2019/10/07 v2 思いが強すぎて「それ」が多すぎたことに気づき、修正]