二足歩行したくない さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
シリアスなストーリー展開とフリースタイルのジャズが彩るガンダム作品
宇宙世紀のガンダム作品。
原作は2019年6月現在も連載中の漫画作品で、有料ネット配信を基本媒体として全8話作られたアニメ化作品の、第1シーズンとなる前4話に追加シーンを加え劇場公開された作品が本作となります。
私はネット配信された全8話の作品も、原作漫画も未読のため、機動戦士ガンダムサンダーボルトにふれるのは、本作が初めてなのですが、順番としては全8話のアニメを視聴後に、劇場公開された本作と、もう一作"BANDIT FLOWER”を視聴するのが、流れとしては正しかったと、視聴後の今になって思います。
ネット配信されている方も今後視聴する予定なので、その際のレビューでは差分などを書こうかと思います。
時期としては一年戦争末期を舞台にしていて、作品のエンディングロール後にア・バオア・クー戦が流れて終結します。
ア・バオア・クーへの補給経路を叩きたい地球連邦軍は、その宙域「サンダーボルト宙域」を守るジオンのスナイパー部隊に苦戦していた。
主人公は連邦所属のMSパイロット「イオ・フレミング」で、義足のスナイパー「ダリル・ローレンツ」と、サンダーボルト宙域で運命的な出会いをします。
後にイオはフルアーマーガンダムを与えられ、ダリルは特殊な手術の末、実験的なMS・サイコザクに搭乗し、二人は再び相見えることとなる。
イオは海賊放送のジャズミュージックを聴くことを趣味にしていて、本作中も主に戦闘シーンで、スコールのようにジャズが鳴り響きます。
また、ダリルも音楽鑑賞を趣味としていますが、こちらはポップソングが中心となっていて、作中、ジャズとポップスが対立するかのように、象徴的に流れます。
ポップスはともかく、ジャズはモビルスーツ戦に良く合っていると思いました。
おしゃれさよりも激しさが、なごませるわけではなく戦争を引き立たせる感じがしました。
爆音でジャズが流れることにより兵の死が絵空事となり、視聴時イオの感性に近づくような錯覚を覚え、熱中できました。
70分程度の作品なのですが、スタートからラストまでずっと戦場で、シリアスなシーンがひたすら続く作品となっています。
また、絵を原作に近づけた結果だと思うのですが、キャラクターの作画が濃く、ロリやキャラ萌えが一切排除されています。
デブリが漂う中である程度の規模があるモビルスーツと艦隊による戦闘が描かれているのですが、美術レベルは高く美麗で、視聴時に疲れや混乱は感じませんでした。
ただ、キャラクターデザインについては癖があり、加えてシリアスなストーリー展開とフリースタイルのジャズが彩るガンダム作品ということで、人によっては拒否感が出る可能性があります。
私的には絵も戦争も音楽もそれぞれが個性を出しつつ調和していて、レベルの高い作品を楽しむことができ、大変満足でした。