「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST(TVアニメ動画)」

総合得点
91.9
感想・評価
3341
棚に入れた
18130
ランキング
27
★★★★★ 4.2 (3341)
物語
4.4
作画
4.1
声優
4.2
音楽
4.1
キャラ
4.3

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

命の大切が伝わる良い作品

放送当時から見ていましたが、最近見直したのでレビューを書くことにしました^^;

この作品は私の中でもトップクラスの名作なので、未視聴の方は一度見て欲しいですね。

ここから下はネタバレと感想になるのでご注意。

{netabare}

■主人公について

主人公・エドワードとアルフォンスの兄弟は、幼少期から錬金術の腕が凄く、母(トリシャ)を喜ばせるために錬金術の勉強に励んでいましたが、母が病死してしまいます。

エドワードとアルフォンスは「母親を生き返らせたい」という思いから、秘密裏に「人体練成」という錬金術の禁術に触れてしまいます。

母親の練成を試みた結果、兄のエドワードは左足を失い、弟のアルフォンスは体全てを失います。

このときにエドワードは、自身の「右腕」と引き換えに弟の魂を鎧に写し、弟は鎧に魂のみの体になってしまいます。

結局、母親は蘇ることはなく、母親には見えない生物ができてしまいました。
このときに兄エドワードは、失った体と引き換えに「錬金術の心理」を会得し、練成陣なしで錬金術が使えるように。※アルフォンスはこのときに記憶が飛んでしまっているので物語序盤では使えません。

その後、セントラル軍のマスタング大佐の紹介により、国家錬金術師となり、「失った体を取り戻す」目的を果たすためにセントラル中を旅することになります。

■賢者の石

この作品で一番のキーワードとなる「賢者の石」。作中では、錬金術の等価交換を無視した練成が可能で、自身の体を取り戻す鍵に繋がるとして、エドワードとアルフォンスは、この石を探し続けていました。旅の途中で、この石の精製方法を知る「ドクターマルコー」に出会い、研究書の暗号を解くことで、賢者の石の材料は「生きた人間」である真実を知ってしまいます。

この真実を知った兄弟は葛藤し、ヒトの命を弄ぶことは出来ないと、「賢者の石」は使わないと決意します。

■ホムンクルス

賢者の石を核として作られた人造人間。エドワードとアルフォンスの前に何度も登場します。

彼らホムンクルスは自身で錬金術を使うことを出来ないため、「賢者の石」を作り出すための錬金術師を探し回っている。

彼らは「おとうさま」と呼ばれる父により生み出され、人間を下等生物として見下している態度が目立ちます。

■ヴァン・ホーエンハイム

エドワードとアルフォンスの父親であり、大昔のクセルクセス国の生き残り(奴隷23号)であり、「人間の形をした賢者の石」です。

大昔に不死の肉体を欲しがった国王が、「フラスコの中の小人」に唆され、賢者の石を練成するが、練成に立ち会った「ホーエンハイム」と「フラスコの中の小人」に石が宿り、周りの国民は全て死んでしまう。

■おとうさま

ホムンクルスの生みの親であり、この物語の諸悪の根源です。大昔にクセルクセス王国の国民を材料に「賢者の石」を作り、ほぼ不死身の肉体を手に入れた存在。

今度はセントラル国を巻き込んで、錬金術の「真理の扉」を開けることで「神の力」を手に入れようとする。

元々はヴァン・ホーエンハイムの血により、人体練成から生まれたホムンクルスであり、「フラスコの中の小人」と呼ばれていました。

人体練成を起こしたのも、フラスコの中から出て「自由になりたい」という理由からでした。

■錬金術について

この世界の錬金術は、「円の上に術を描く」ことで術が発動します。しかし、例外として「錬金術の真理」を会得することで練成陣なしで練成を可能とします。手を合わせ「カラダで円を作ること」で練成が可能に。

この真理を会得するには、「人体練成」を行うことで扉が現れる。この世界では「通行料」と呼ばれているが、扉に入る・真理を会得するには、「肉体・魂」といったヒトの命が必要となる。

{/netabare}

≪感想≫

{netabare}
この作品で一番眼を引くのが、キャラクターの魅力が素晴らしいことですね。

主人公のエドワードとアルフォンスは、人体練成により肉体を失い、後に「失われた命を蘇らせることは出来ない」と悟ります。

賢者の石を通して、ヒトの命に対する重みを感じ、さまざまな場面で葛藤することになり、悩み苦しむ姿に感情移入することが多かったですね。

また、物語の諸悪の根源でもある「フラスコの中の小人・ホムンクルス」についても、ヒトの命を弄んだ罪は重いが、彼自身が感じていた劣等感や不安感がしっかり描かれていたことにも、作者への好感が持てました。

また周りの登場人物についても泣けるシーンが多く、序盤からもエドワードの面倒をみていた「ヒューズ中佐」がホムンクルスに殺害される事件が起こり、葬儀のシーンでは結構泣かされました。

その後、マスタング大佐は彼の敵討ちを討つ為に「ホムンクルス」を探し出し仇討ちを試みる場面なども、闇落ちしかけるまでの過程や周りの人物からの助けのシーンでもぐっと来るものがありました。

主人公だけでなく、周りの人物の「心の成長」が凄く伝わってくるので、物語の伏線が回収されていく終盤まで眼が離せませんでした。

大切なヒトの命が奪われ、復讐の為に闇落ちする人物もいるものの、本人の葛藤や周りの人物の支えなども丁寧に描かれているので、とにかく感情移入してしまいましたね^^

錬金術という難しいジャンルではありますが、話の内容も理解しやすく、登場人物の一人一人に役割がしっかりあり、「モブキャラが居ない」という丁寧なキャラ設定にはびっくりでした。

物語の最後まで、作者が伝えようとした「命の大切さ」が物凄く伝わってきてラストの展開にも感動できました。暴力シーンなども多々ありますが、道徳の教科書としても十分な価値のある名作です。大人にも子供にも見て欲しい作品です^^

{/netabare}

投稿 : 2019/06/12
閲覧 : 214

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