E=mc² さんの感想・評価
3.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 1.0
音楽 : 5.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
評価が難しい作品ではある
まず、キャスティングは失敗ではなかろうか。
他レビューや劇場に足を運んで周りの人の声に耳を傾けていると「難しかった」と言う声が多い。それに対し、芦田愛菜や稲垣吾郎、蒼井優といった声優が本業でない、一般層向けの俳優のキャスティングは明らかにアヴァンギャルドなどではなく、アンバランスといえる。難解度で言えば某魔法少女アニメに匹敵するレベルにも関わらずこのキャスティングはないだろう。(逆接的に、それだけオタク界隈の人間でも楽しめるといえる)
{netabare} また、その影響か劇場には家族連れも多く見受けられたが、本作品は生命の神秘(言い換えれば保健体育の授業的なものを暗示している描写)が含まれており、キャスティングで判断したお父さんお母さん的にはちょっと気まずい空気が流れてしまわれた方もいるのではないか。(当の子供は難解さに救われて意味がわからなかっただろうが) {/netabare}
作画に関してはミステリアスさの演出としても良かったといえる。所謂質アニメの部類になるであろうが、某四畳半を崇拝する大学生のアニメや某薬売りのモノノケ退治アニメのような敢えてミステリアスさを含ませるものとしても良作画。
さて、タイトルにもある本題の「評価が難しい」といった点であるが、私は色々と偉そうに前述していた割に原作未視聴で本映画もまだ一度しか視聴していない。そのため伏線らしき描写はしばしば見受けられたのだが、その量が膨大すぎるために整理しきれない。もし、110分という枠の中に全て収まっているのなら相当レベルの高い作品であることは間違いないのだが、そういった考察を排除してみても内容は面白かった。(感性が独特で万人ウケはしなさそうであるが…)
正直オタク向けの作品ではあると思うが、劇場に足を運んで良かったと思われる。