tinzei さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 2.5
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
三部作の中だと一番難しいけど、人に考えさせるような啓発的な難しさではないから、ちゃんと観れば理解できる
12年前の事故によりそれまでの記憶を失ったマーガレット・バートンはメイドのエリノアと共に平和な国ナフレスで暮らしていた。
一方政府軍と反政府組織ガルザの内戦が続くガザッソニカではマドラックスと呼ばれる女エージェントの噂が広まっていた。
①『ノワール』②『マドラックス』③『エル・カサド』で美少女ガンアクション三部作と呼ぶ。
ストーリーの共通点は無いが作品としての共通点は多い。
まず三作品とも二人の女主人公がいる、①の場合はミレイユと霧香、②の場合マドラックスとマーガレット、③はナディとエリス、そして片方は無口?(ぼ~っとしてる?)キャラ。
次にメインストーリーに関わり主人公達と深く関わる女性キャラが一人、①はクロエ、②はリメルダ、③はジョディ(ブルーアイズ)、そして三作品とも久川さんが演じている。
最初、内戦で暗躍する諜報組織と戦う普通のアクション作品かと思ったら真実の扉とか人間の本質みたいな人間の内面をメインにした作品だった。
主人公は二人、ナフレス側のマーガレットとガザッソニカ側のマドラックス、前半は別々に話が進むけど、二人の共通点や繋がっていることを匂わせるシーンがいくつもある。そして後半、二人が出会って話が一気に進む。重要アイテムとして古代のガザッソニカ文字で書かれた三冊の本があって、その説明と効果が徐々に明らかになっていく。
はっきり言ってストーリーは分かり辛い。戦闘がメインの内は良いけど、本や言霊絡みの話はしっかり観ないと分からないから注意。
この作品で一番有名なのは戦闘中に流れる曲(通称ヤンマーニ)。ただ所詮は戦闘BGMだし、ストーリーを理解するのに必死だったから、そこまで気にならなかった。
作画は普通。特徴があるデザインでもないし、(年代を考慮しても)キレイって言えるほど細やかな絵でもない。ただ一つ文句を言うとしたら髪のなびかせ方がテキトーすぎる。数本の髪の毛をなびかせて風吹いてますよ感を出すだけ、動かすならもっと髪全体で動かして欲しかった。
元々期待してた作品と違うっていうのもあるけど、「面白い!!」って胸を張って言えるほどの作品ではなかった。ただ人に考えさせるような啓発タイプの作品ではないし、ストーリーの筋道もしっかりしてるから、集中して観れば理解できるし納得もできる。次作の『エルカザド』はともかく、前作『ノワール』は比較的難しかった作品だし、それを観てるなら、この作品も観れるはず。だからもしこの作品を観るのなら、上で言った三部作を順番に見ることをオススメする。
【あらすじ】
1→マドラックスが反乱軍が手に入れたディスクを回収するため、反乱軍生き残りの青年を助ける。青年は裏切った仲間を助けに行くが、仲間は殺され青年もマドラックスの目の前で死亡。
2→マーガレットが元隣人のヴァネッサと最下位。ヴァネッサが落とすはずだったものを謎の男が落札。マーガレットは赤い靴を見て何かを思い出す。
3→マドラックスは政府軍司令官の暗殺依頼を本人から受ける。殺す前に会いに行き彼が見えない力に抗うために死ぬことを知る。無事暗殺するが政府軍のスナイパー、リメルダに顔を見られる。
4→とある議員の娘が親を殺して自殺する。刑事のマクレイが不審に思い調べると国際的諜報組織アンファンが関わってることが判明。マクレイは忠告を無視して捜査を続けた結果、全てを失いアンファンに取り込まれる。
5→ガルザのトップの息子が父親に会うため密入国。実は前話で殺された議員が手引きしていた。マドラックスが護衛し、無事父親のいる屋敷に着くが、そこには仮面の男がおりお前は存在しないと言う。
6→マーガレットが友達のパーティに誘われる。そこで男がバートン家目当てで言い寄るが、マーガレットの本でおかしくなり暴力的になる。最後はエリノアが駆けつけ倒す。
7→マーガレットが自分の持ってる本の捜索を本の探偵に依頼。探偵は本の文字がガザッソニカのエリエスという古代文字と分かりガザッソニカへ行くが、アンファン狙われる。しかしマドラックスが護衛する。
8→探偵は本の文字を読めるクアンジッタという女性に会い、文字の読み方とその文字が書いてある洞窟へ行く。そこで自分がかつて犯した罪を思い出し、マドラックスにマーガレットへの手紙を託し自殺。
9→マーガレットたちがバカンスに来る。そこでマドラックスの同僚だった男ルチアーノと出会い、マーガレットは仲良くなる。ルチアーノはヴァネッサの上司で仮面の男の部下であるカロッスアの命を狙っていたが暗殺失敗。リメルダに撃たれる。
10→ヴァネッサがスパコンを持つ友人に頼み会社とアンファンをハッキング。侵入を気付かれたが得たデータをガザッソニカに転送し、ヴァネッサはガザッソニカへ行く。
11→ヴァネッサがデータを送信したパソコンと所有者を探すためガザッソニカに来て、友人から紹介されたエージェントに護衛を依頼する。所有者の少年を見つけるがアンファンに囲まれる。しかしエージェントのマドラックスがヴァネッサ達を守りデータ回収。アンファンではカロッスアがヴァネッサの存在を隠す。
12→カロッスアがリメルダにマドラックス捜索を命じる。マドラックスはリメルダと会いに行き標的がヴァネッサではなく自分と分かり安堵するが負傷する。カロッスアがマーガレットに接触する。
13→カロッスアがマーガレットの持ってる本セカンダリを読むがそこに付いてた血を見て動揺する。実はマーガレットと同じでカロッスアにも記憶は無かったがあの血が自分のものだと直感する。ヴァネッサとマドラックスは仲良くなりがお互いの目的を言う。アンファンのボス仮面の男フライデーマンデーが罠を発動し、パソコン画面を見てしまったマドラックスが硬直する。セカンダリをクアンジッタの部下ナハルが奪おうとするが失敗。
14→マドラックス記憶を失う。カロッスアがナハルと接触するが資質があると言われ逃げられる。マドラックスがリメルダに銃を向けられて記憶を取り戻す。
15→リメルダの報告でマドラックスの復活が分かるが、ヴァネッサの存在もアンファンに知られてしまいカロッスアはフライデーに呼び出される。マドラックスは自分の過去を知るためわざとパソコンの罠にかかる。戦場で父親らしき人間とレティシアという少女に出会うが、同時刻にマーガレットも倒れていた。その後罠が解け、パソコンのデータが観れるようになる。
16→ガザッソニカの内戦がアンファンによって操られたことを知るが目的が分からない。マドラックスたちはデータを世に出そうとするがアンファンに捕まりフライデーと会う。フライデーはマドラックスに問いうがお前は違うと言い部下に襲わせる。マドラックスは部下を蹴散らすがその過程でヴァネッサが人を撃つ。
17→マドラックスとヴァネッサが王族殺しで指名手配される。マーガレットたちはヴァネッサの友人からアンファンの名を聞き、ガザッソニカへ向かうがカロッスアも同行する。軍に囲まれたマドラックスをリメルダが助け彼女にアンファンのデータを渡す。
18→マーガレットたちはヴァネッサの部下に会う。リメルダが戦争の真実を知り軍を脱走。マドラックスが資質を確かめようとしたナハルに襲われ殺されそうになるが、マーガレットの登場で事なきを得る。
19→ついにヴァネッサと会う。マーガレットの本をアンファンが狙っていると知ったマドラックスは戦場を通りクアンジッタのもとへ行く。クアンジッタは本が三冊あること、三冊揃うと扉が開き人間の本質を知れることを教えマーガレットに本を集めろと言う。カロッスアがフライデーを殺しファースタリをゲット。
20→クアンジッタは12年前にフライデーが扉を開きこの戦争は始まったことも教える。マーガレットとマドラックスは本を開きお互いが12年前同じ場所にいたことを知る。リメルダがマドラックスと決着を付けようとするがヴァネッサの乱入で決着つかず。カロッスアがファースタリを持って現れマーガレットは扉を開く。
21→扉の前に着くがマーガレットは開けるか迷う。しかしカロッスアが開け真実を知る。カロッスアの正体は12年前マーガレットが乗っていた飛行機にいた少年だった。事故の後マーガレットと二人で戦場を彷徨ったがマーガレットの父とフライデーの現場に遭遇した際撃たれてしまい、生きたいという願望が具現化した存在がカロッスアだった。真実を知ったカロッスアは撃たれた現実が戻りマーガレットの手を握り死んでいく。だがそこに生きていたフライデーが現れる。
22→フライデーによってマーガレットはマドラックスが父親を撃ったことを思い出しマドラックスを探し始める。リメルダとの戦闘で負った傷が癒えたマドラックスはヴァネッサとエリノアを連れてマーガレットを探すが、途中リメルダに襲われる。一方ヴァネッサはフライデーに遭遇し言霊で覚醒させられようとするがマドラックスがやめさせる。しかし後ろからリメルダがマドラックスを狙ってることに気付いたヴァネッサが咄嗟に撃つが弾がヴァネッサに当たり死亡。マーガレットはヴァネッサの死体を見てマドラックスがやったと思い彼女を撃つ。
23→マーガレットは完全に洗脳されフライデーを父さんと呼ぶ。生きていたマドラックスはどうするか悩むがナハルとヴァネッサの言葉でマーガレットを追うことに決め、エリノアを連れて戦場の中を進む。
24→マドラックスはエリノアを離れ一人戦う。するとリメルダが現れる。しかしマドラックスはリメルダと戦わずリメルダも察して撤退する。一方エリノアは軍に追われながらついにマーガレットと会う。しかしマーガレットは洗脳されてるためエリノアのことを知らず、エリノアに本質を解放する言霊を掛けてしまう。しかしエリノアはそれに打ち勝ち、その姿を見てマーガレットはエリノアのことを思い出す。しかし、崖から落ちた時軍に撃たれていたため、エリノアは力尽きて死ぬ。
25→マーガレットの洗脳が戻ってしまいマドラックスを撃つ。マーガレットはフライデーとともに扉を開き真実を知る。マーガレットが事故に遭った日、フライデーは扉を開いたがマドラックスの名を持つマーガレットの父に止められていた。そこに出くわしたマーガレットだったが、フライデーの言霊で父がマーガレットを撃とうとする。その時マーガレットの父を撃ちたくないという意識と生きたいという意識が分離しマドラックスという存在を生み出し代わりに父を殺させていた。つまりマドラックスはマーガレットであり、そこに生まれた少女もマーガレットが持っていたぬいぐるみだった。フライデーは今度こそ人々の本質を覚醒させ、世界中で争いが起きる。だが生きていたマドラックスが現れフライデーを止めようとする。
26→マドラックスがフライデーを追っ払う。マーガレットは自分の過去を受け入れマドラックスとレティシアを取り込む。その後マーガレットはフライデーの甘言に惑わされず本質の解放をやめさせる。現実世界に戻ったフライデーのもとに消えたはずマドラックスが現れ、フライデーは殺される。その後マーガレット、マドラックス、レティシアの三人は具現化したまま過ごすと決め、マドラックスはリメルダが連れて行き、レティシアはマーガレットの妹とすることに決める。