「フルーツバスケット [トムス・エンタテインメント版](TVアニメ動画)」

総合得点
76.0
感想・評価
347
棚に入れた
1423
ランキング
746
★★★★☆ 3.7 (347)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

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ネタバレ

Progress さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

フルーツバスケット レビュー

あらすじ(引用)
高校生の本田透は、唯一の家族だった母親を亡くしてから一人でテント暮らしをしていた。
ところが、テントを張ったその場所は由緒正しい『草摩家』の敷地内だった!
草摩紫呉に家事の腕を買われた透は、学校の王子様的存在の草摩由希、
そして由希を敵視する草摩夾と一緒に住むことに。
しかし、透はまだ知らない。
『草摩家』が何百年も前からある呪いに縛られていることを……。

さて、この作品、何とも私的には判断に困る作品でした。
個人的には物語の主軸がどこにあるのかはわからないにもかかわらず、なにか感動的な話が展開される。
もちろんディスりの意味ではなく、主人公が本田透であるのに対し、各話の感動の物語の主人公は周囲の人物であることで、作品全体で伝えたいことが序盤は見えなかった。
しかし、物語が進むにつれて、それが晴れていく。この作品のテーマが、各人物の心の「救済」にあり、主人公は、救う側の人間で、いわば救世主的なヒーローである位置にあるとだんだんとわかりました。そして視聴者は、透の周囲の悩みや後悔を抱えている人たちに共感するような構図になっています。

しかし、そんな中で、私は透に人間的な所を見出したいと思ったんですよね。
どこか人間臭い所がないか、欲はないかと。
それは、透がしぐれの家にいたいという切実な願いを訴える回もあったのですが、何かになびくような俗物的な部分をもってして、透という人物を読み取りたかった。
貧乏だけど、人を思いやる、周囲の人物の救いの手として見られる透を、人のカテゴリとして落とし込んで、物語を進める力から不確定要素の中に入れてやれないかと。
しかし、透の思考はベールに包まれたように、見えそうで見えない。
恐怖や痛みという共通の感覚を我慢している事で、人の恐れへの抵抗として共感をしますが、彼女と視聴者には、自分に行われた行為への感情が明らかに違いがある。
彼女が人間味があってほしいと思うのは、彼女のためか、それとも視聴者で心の救済を願う自分のためか?
そのどちらの感情を持ちながら、透よ、人間臭くあれ、もっと言いたいこと、したいことを自由におこなって、人であれと、感じてしまいましたね。
彼女に救われた人々はたくさんいて、彼女もまた、母親のいない状況を周囲の人間のやさしさによって支えられています。
透にとって他人を受け入れることが、我慢をもってして行う善行ではなく、彼女の潜在的な性格からくる、自然な行為であり、その行為を行える人格がどこから来るのかという疑問が、本作の一番の魅力であると思います。

投稿 : 2019/09/28
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サンキュー:

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