イツキ さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
人とその想いに焦点を当てた群像劇、名作
戦場しか知らなかった少女・ヴァイオレット・エヴァーガーデンが、手紙の代筆やそれを通して関わった人々との交流を通して「愛している」の意味を探してゆく物語。
作画の綺麗さで名高い京都アニメーションが手掛ける名作。基本的には一話完結型の群像劇だが、たった30分の満足度が恐ろしく高い。オリジナリティに富んだキャラクター達。すべての話がハッピーエンドではないにも関わらず、そのすべてがこれ以上の結末はないと思わせてくれる終わり方で締められている。すべてをとっても圧巻の出来。タイトルにも、意図的にタイトルなしにしたりするといった他作品にはない工夫が施されている。
筆者のお勧めは第5話「人を結ぶ手紙を書くのか?」。政略結婚で婚約が決まった幼き王女・シャルロッテの公開恋文の代筆のため召喚されたヴァイオレットは、相手の王子・ダミアンが実は王女の初恋の相手だと知り、お互いに自筆の恋文をやり取りさせることに成功する。この二人によって手紙を通して繰り広げられる計算されてない駆け引きは、まさに真っ直ぐな恋そのもの。一緒にはらはらドキドキさせられた先にある結末は至福の一言に尽きる。
(1クール全13話+OAD、外伝及び劇場版公開予定)