たわし(爆豪) さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
身分違いの恋
英語圏、特に北アメリカは1890年代くらいまでイギリスのエスタブリッシュメントが支配し、北ヨーロッパなどのアイルランド系や南ヨーロッパのラテン系、イタリア系が本格的に入植したのは1900年頃になる。
当時のイタリア系、アイルランド系は作物の不作(ポテト飢饉)によって職を探しにアメリカに来た貧乏人であり、原題Lady and the Trampは直訳すると「お嬢様と貧乏人」という意味である。
貧乏人の野良犬(イタリア系)はアメリカン・コッカー・スパニエル(イギリス系)との身分違いの恋が始まる。という内容である。
話の途中で、イタリア系の野良犬がお嬢様を食事に誘うシーンがあるが、その当時のイギリス系はスパゲティの食べ方を知らないので少し戸惑うといった当時のアメリカ人の恋話にもなっている。
アメリカで「ファーストフード」が出回り始めたのは1950年代になってからであり、それ以前はイタリア系はイタリア料理を、ラテン系はスペイン料理を、イギリス系はイギリス料理をとそれぞれ食文化がバラバラで食べていた。
1930年代は貧乏だったイタリア系と、入植したてで右も左もわからない箱入りのイギリス系が、身分や人種を超えて本当の愛に気がつく、ディズニーの名作である。
しかし、当時のウォルト・ディズニー本人はユダヤ系を毛嫌いしていた。