buon さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
いい少年、いい大人
すげえおもしろかった☆☆☆☆☆
想像してたのと全然違った。
モブのような少年がやれやれしながら超能力で強敵をバッサバッサとやっつけるだけかと思ってた。
影山茂夫(かげやましげお)はモブと呼ばれ、超能力を子どもの頃から持っている。
稀にその力をコントロールできないときがありそのことで悩んでいたし、
生活するのに超能力が必要だと思わなかった。
霊能事務所の人なら相談に乗ってもらえるかもと伺った先にいたのが、
霊幻新隆(れいげんあらたか)。
その出会いをきっかけに霊幻を師匠と慕い、
霊幻のいる『霊とか相談所』でアルバイトをすることになった。
この茂夫はもの静かで身長も低く、勉強も運動も苦手。
感情が表に出づらい、出さないし気弱なところがある。
欲も少なくこれと言ってやりたいことはなかった。
2話で脳感電波部が廃部の危機に直面し、茂夫が勧誘される。
そのこともきっかけとなり自分がやりたいことは何かを考えた。
そして廃部後に部室を使うことになる肉体改造部へ入部する。
「脳感電波部」「肉体改造部」の言葉の強過ぎる印象に変な言葉で非日常を演出したい、
よくある作品かと思った。
その後も多少は意識が高そうな、というか変な言葉を耳にするが、異なる印象を受ける。
超能力を使うし、除霊の仕事もしているが、
茂夫自体はごくごく普通なモテナイ少年だ。
そして優しいし、自分の考えを持っているし、それに基づいて少しずつ行動している。
これだけの力を持っていればひねくれそうなもんだが、
家族に恵まれたのだろう。
彼は彼なりに真っすぐ成長している。
その成長を後から支えているのが霊幻新隆だ。
彼は口八丁が過ぎることを除けば、商売のためなら嘘もつくし騙すようなこともするが、
料金は良心的だし、結果も出している。
頭の回転が人より優れているが、普通の大人の範疇から頭か指先が少し抜け出す程度だ。
普通の大人だが割といいヤツだ。商売のための技術向上にも励んでいる。
中盤までは日常生活の中で、終盤は非日常の戦い。
茂夫は戦わざるを得ない状況で力を振るうことがあるが、
茂夫はどんな状況でも茂夫だった。
霊幻も同じくどこまでも霊幻だった。
どんな状況でも霊幻は霊幻で、茂夫の師匠だった。
家族を除く超能力の理解者が霊幻であったことは幸いだろう。
こういうのを見ると人って本当に環境でつくられるんだなぁ。
内容はギャグコメバトルものをベースとした茂夫の成長記録みたいなのかな。
絵柄がデフォルメがデフォルトだと表現の幅が広いような気がする。
表現力がバケモノじみていると思えるほど優れている。
茂夫や霊幻たちを見て、己を改めようぜ。