「かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~(TVアニメ動画)」

総合得点
96.0
感想・評価
1729
棚に入れた
7544
ランキング
1
★★★★☆ 4.0 (1729)
物語
4.0
作画
4.0
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.2

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四文字屋 さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

羊肉虎皮〇

羊質虎皮
羊頭狗肉

どちらも普通、いい意味では使われない言葉だ。
でも敢えてこれを混ぜ込んで
羊肉虎皮
と言ってみてしまおう。

本来は虎の威をかる狐とか、看板に偽りありとかいったネガティブな熟語を、混合捏造してどうにかポジティブワードひとつでっち上げた次第。
虎の威をかってるけど二人とも「お可愛い&幼い」っていうぐらいかなと。
虎の皮、つまりは家柄・財力とか学業成績とかの威容でもって睥睨する。
ただし虎はネコ科の動物なんで、食用には不味くて不向きなはず。
で、中身には羊の肉。
羊頭狗肉の語においては美味い肉とされ、
羊質虎皮の語においては弱い者の象徴。
では、ここでふさわしいのは、当然、肉の美味なるをうたう「羊肉」となる。
で。羊肉虎皮とする。
語感としては、「居丈高だが不味そうな外観でありつつも、中身は意外に脆くて美味しいよ」といった感じだ。

まあ実際、
北海道民のみなさん程ではないにしても、
私も羊肉は好きな方で、
関東では羊肉って簡単に入手できるものでもないんで、
スーパーなどで手軽に買えて常食できる北海道の方が羨ましいところではあります。
そして、羊といったらまずはジンギスカン。
羊鍋なんてのが台湾あたりでは普通の料理らしいが、残念ながら羊鍋というのは私は未経験。
肉鍋のたぐいは好きで、
牛鍋でも豚鍋でももちろんいいのだけど、
むしろ猪、鹿、馬といった類の肉が非常によろしい。
古くからそれぞれ牡丹鍋、紅葉鍋、桜鍋などと呼称されてきた訳だから、愛好者の方々も多くおられよう。
牡丹鍋はちょっと野趣に富んだ豚みたいなもの。雑食性の猪のなせる臭みが魅力で、ジビエ料理としては味噌仕立てが標準仕様。
紅葉鍋もジビエ独特の旨さである草の風味が楽しめて、すき焼き風がよろしいかと。
桜鍋は関東圏でも確立されており、これもすき焼き風で食すが、鍋の箸休めにタテガミやら実肉やらを刺身で戴けるのがなかなかよい。
で、羊に話を戻すと、鍋が簡単には食べられないのが至極残念ではあるが、
中国料理にはちゃんとレシピもあり、大陸やら台湾まで足を伸ばさずとも、がんばって探せば日本国内で食することも可能ではある模様。
そこまでして頑張らなくても、
普通にジンギスカン食っていれば十分ではあるんだが。
ただし、
ジンギスカンなら、私は断然、マトン派。
幼くてヤワなラム肉では、到底全く物足りない。

そしてようやく、かぐや様に話は戻るんだが、
この四宮かぐや、生徒会長を「お可愛い」とからかうのを常としてるんだが、
本人の性格もルックスも、ヒロインと呼ぶにはかなり幼くてヤワで物足りない。
性格面でいうとツンデレというのとは違って愛嬌が足りず、
キャラデザもちょっと変で、他の女性キャラは普通に可愛いのに
それとは明らかに違っていて、一言で言ってしまうと、セクシーさに欠けるのだ。
これはおそらくだが、いわゆる萌え要素をソぎ取りケズり切った最後の姿がこうなったんじゃないか。
藤原書記とか早坂愛とかの普通に萌えるキャラからは、もっとも遠いところにポジショニングしたかったのだろう、と邪推しておく。
そしてそんなキャラに対して、私としては最初のうちは違和感ありまくりだったのに、いつの間にか可愛く感じられてしまうようになっていた。
ピンポイントで上手く狙った、特異なキャラの立て方だと思う。
主役はあくまでも、この箱入りの深窓のご令嬢であって、
オールマイティに何でも優秀だが、一般常識には欠け、しかも男女交際ひいては人間関係のありかたについて、知識も経験もとことん不足。
徒歩登校のエピソードとか、花火の話とか、親子の情がまるでない父との関係とか、性知識の驚くほどの欠落加減とかを、執拗に積み重ね描くことで、この人物の特異性を際立たせ、かつ、徐々に徐々に可愛いと思えることになるようにできている。

ここが、良家の子女ばかりが通うお坊ちゃまお嬢様学校において、努力で優秀な学業成績と生徒会長の座を得てバイトにも励んでいる「外部生」と呼ばれる一般庶民の生徒会長と決定的に違うのだ。会長って、かぐやと張り合っているだけで、普通にラブコメキャラだもんね。

そんな財閥家ご令嬢と、学業優秀だがお可愛い生徒会長の恋。
「なぜ惹かれるのか?」って大事なところが決定的に欠落してるんだが、これにはおそらく庵野秀明監督の「彼氏彼女の事情」などといったモデルケースがあって、
作中登場してカップルになってしまうモブっぽい純情男女が、近くにいればそれだけで恋に落ちる理由には十分という事例を明示している。
さすが高校生、
「お盛んなこと(笑)」
相互の恋愛感情の発端は全くわからないが、まあまるで、中学一年生のように幼い二人。
こんな幼い高校生が・・・と、にんまりと、なま温かく見守る気分になれれば、心地よく鑑賞するのにおよそ不足はあるまい。


それはそれとして、
第3話のエンディングでの藤原書記のチカダンスは見事という他に言葉が見つからない。
思わずYoutubeとかで完コピ動画探してしまったが、この素晴らしい雰囲気と絶妙なバランスは、生身の人間には到底醸し出せないものなのだろう、と納得した次第。
一時期中毒症状を呈してしまったのは、もちろん言うまでもない。

投稿 : 2019/05/25
閲覧 : 305
サンキュー:

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