kurosuke40 さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

お可愛いひとたち

見終わった後、原作まで読んで。
原作の話も含んだ感想。

タイトルの天才は権謀術数の才であって、恋愛の才でもなければ、愛を売る才でもない。
好意を見せれば、弱みを見せるのと同意であって、戦術的不利に陥る。お可愛いひと扱いされてしまう。
でも、好意を既にもっているからこそ、持っていませんよとどこか過剰にアピールしてしまっているのに気づかないポンコツな彼女らのラブコメ。

女子側の相談でうんうん進む内容と石上のうぜーが入り混じあうなど、
みんな性格悪いけど、良い面ももっていて、それがしっかりとフォーカスされていて、
身内でゲラゲラ言っている感覚で、面白かったです。


ちょっと真面目な話。
アニメでは使われなかったけど、原作ではキーワードの「かぐや姫」の話がでてくる。
かぐや姫で焦点を当てられる部分は、その最後。
不死の薬を与え、月に帰ってしまうかぐや姫。だが、かぐや姫のいない地上の永遠など無意味と帝は薬は燃やしてしまう。
以下、原作ネタバレ
{netabare}
でも御行は言う。
それは美談だけど、裏を返せば、かぐや姫はずっと待っているからという意図で薬を与えたんじゃないか。
俺とかぐやだったら裏を読みあって、その意図を読み取ったのになーと。

染み入るような愛の言葉は奥ゆかしさだが、伝わらない愛は相手を試す愛なのでしょう。
でも、必ず伝わると思える二人ならば、ああ、お似合いの二人なんだな。
思いを伝えない彼らの将来を暗示するような本来の筋書から、でも彼らなら伝わる予感も示すいいお話でした。
{/netabare}

蛇足
OP、渋い。
3話のED、キレッキレのダンスだな。すげー。
実は裏主人公の石上くん。
藤原が気づいていないのは逆に不自然。
かぐやの声優さんの図太いところからか弱くなるの、ずるい。
正直視聴前は男を手の平で転がすかぐや様を想像してたのは私だけではないはず……