岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
歌にしておけば忘れないでおけるだろうか
「響け!ユーフォニアム」で描かれる物語のなかで、個人的に2期のみぞれと希美のエピソードは女の子同士の独特の関係性というのもあったのか、個人的にあまり共感というか納得できない部分が少なからずあった。
本作では、二人の関係を童話の登場人物と重な合わせながら読み解くことで、お互いの性格や間柄が分かりやすく伝わってくる。この童話の登場人物をどう・誰に見立てるのかという視点の切り替えが、作品の大きな鍵になっている。
山田監督作品の特徴でもある女の子同士の関係性を描くという点では、この二人はうってつけのキャラクターだったのだろうか。二人の関係性についてはより深掘りがなされ、二人の関係の大きな変化と一つの区切りまでを切り取っている。
さらに終盤のみぞれのオーボエの演奏は、みぞれの決意と、希美との間にあるもの、あるいはないものの存在をとても残酷に、しかし美しく響かせる。ハッピーエンドがいいという希美の言葉に対して、「ハッピーアイスクリーム」というみぞれの最後の言葉に、ああいいなあと思った。
違う道を歩くことになる二人だけれど、別々なんだけどでも一緒に、という未来を感じさせるラストは素晴らしかった。
イメージソングを手掛けたHomecomingsの「Songbirds」は歌詞がとても印象的で良曲だった。「歌にしておけば忘れないでおけるだろうか」という歌詞からは二人が過ごした青春の一つの形、その瞬間を歌に大切に留めておきたいという強い思いが込められているような気がした。
視聴日 19/5/12