lll1 さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.5
作画 : 2.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
映像が上手い
まず言いたいことは、構図・カメラワークなど映像面に関する事が非常に上手い。
序盤の登場人物が会話してるシーンですが、二人を画面の端に置いて、登場人物の現在の距離感を描写している。
会話しているシーンは、他にもこだわりがある。実写だと会話している俳優の顔や仕草なども見たいため、映像をしっかり見る。
アニメの場合そんな細かいところまでの描写は難しいので、会話しているだけでは、そんなに映像には注目しない。
しかし、この作品は島をロングショットで撮りながら、背景に会話を流している。会話の内容と繋がる部分もあるだろうし、この作品はファンタジーでありながらミステリーでもある。そういった謎の部分も相まって、自然と映像に見入り、会話の内容もしっかり聞く。
また、全話たつきが監督・脚本・演出・絵コンテを担当していることもあり、全編通して、映像面の質が高い。
ミステリー要素を巧みに活かし、背景にチラッと映るかもしれない、登場人物が何気なく使っているものにヒントがあるかもしれないと、視聴者が映像に注目するための工夫が凝らされている。
劇中に流れる音楽もまた、雰囲気にあっていて良かったです。独特なケムリクサならではの味が出ていると思います。
(他のレビューでも書いてますが、多くの方が本編ではない主題歌の部分を重要視しているような印象を受けます。私は主題歌よりも本編中のサウンドトラックの方が重要だと考えています。
OPとEDがケムリクサの雰囲気に合っているかと問われればそれはどうなんでしょうね。)
ただCGのアニメーションについては『ケモノフレンズ』同様、難がある。まぁここは皆が思っていることだろうし、わざわざ具体的に書くことはよします。
この作品が受け入れられるかは、映像面だけではない。私は構図やカメラワークに惹かれ視聴を継続しましたが、引っかかる部分はあります。アニメーションよりもこちらの方を拒絶される方のが多いような気がします。
それは、キャラクターと脚本です。
セリフが非常にアニメ的です。「めっさ」や「にゃー」などなど。脚本が脚本なのでキャラクターもアニメ的になります。
最初は気になりました。…正直言うと最後まで気になりました。ですが"りなたち"に関しては、何故かは分かりませんが自然と愛着が湧きました。
アニメ的で苦手な類いではありますが、彼女たちのクセのある喋り方は、シリアスなシーンにおいても何だか安心しました。
物語については定評がありますので、わざわざたくさん書きません。私も同意見です。凝っている部分が多々あり、各話の引きも絶妙でした。
最終評価は 5 / 10点です。