ato00 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ショパン一色
分割2クールの後半戦。
ショパン国際ピアノコンクールオンリーとなります。
この際だからショパンコンクールについて調べてみました。
なんと、世界三大クラシックコンクールなんですね。
5年に1回開かれ、もう100年近く続いています。
日本人も結構入賞していて、最高位は2位。
私が唯一知っている小山実稚恵さんが最高4位なんです。
もし日本人が優勝したら、大ニュースになりそうですね。
結論から先に言うと、本作の主人公一ノ瀬海は{netabare}優勝します。{/netabare}
それには紆余曲折的な審査があったように描かれています。
やはり、公開審査により透明化することがコンクールの信頼性を高めるようです。
これは、他の大会やスポーツなどもそうであり、それが世の潮流なんでしょう。
さて、アニメの方はというと、四人の特筆すべき人物が登場します。
主人公はあくまで海ですが、副主人公は雨宮修平です。
この二人は、明と暗、陽と陰。
二人の関係性に注目するとこのアニメの主題が見えてきます。
最終的には、{netabare}太陽のような真っすぐ強い光を放つ前向きな海が、内に沈む修平の鬱屈した氷の心を溶かしていきます。{/netabare}
何事にも前向きに生きる人に学ぶことは多いですね。
その他、二人のピアニストが登場します。
パンウェイとレフ・シマノフスキです。
二人とも暗い過去を抱えていて、それを乗り越えるためにピアノを演奏しています。
一種の人間ドラマと言えましょう。
ただ、この二人と海や修平との関りが淡白だったことと、エピソードの尺が短いため、あまり感情移入が出来ませんでした。
それに、二人とも負の感情を原動力としてピアノ演奏をしているので、限度があるのかなと思います。
それに比べ、海の演奏は森に包まれたような自然なもの。
聴衆の心の内に入るのは自明の理でしょう。
途中から気になったのですが、この作品はあまり動きがありません。
演奏時の映像演出としては、白いふわふわが舞っているのと観客の表情で表現しています。
それはそれでありでしょうけど、少し単調でした。
でも、ピアノ演奏は素晴らしく、聴き入ってしまいます。
さすが、NHKさんだけのことはあります。
最終回に丸山誉子が修平に話した。
「私はチャレンジ。あなたはリベンジ」
この言葉通り、5年後の「ピアノの森」はあるのでしょうか?
成長した登場人物たちを観たいような気がします。