かずなみ さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ヒコーキ版ガルパン。を作りたかったんだろうなぁ
オリジナル作品で、異世界に何故か残された戦闘機を操りながら西部劇的な事が繰り返される世界。
いろんなところで解説されているが、
「SHIROBAKO」の劇中劇として話題になった第三飛行少女隊を原典に、西部劇要素を入れつつ、戦闘機版ガルパンをやりたかったのはよくわかった。
しかしながら、細かい説明が不足してるせいで、世界観がイマイチ掴みづらい。
キャラの作画が突然3Dと2Dが切り替わってかなり違和感を感じた。
どちらかに統一してもらいたかった。
それから、西部劇要素を入れたかったのか、キャラが酒場で昼間からビールを飲んでるシーンがあるが、性格も含めて、飲みそうにないのに無理やり飲ませてる感が拭えない。
日常回的なものを入れて一度ベロベロに酔ってるシーンを入れてみるとかやってよかったんじゃないだろうか。
肝心の空中戦と戦闘機については、旧日本軍の戦闘機がガンガン出てくるが、敵も味方も日本機しか出てこない。大戦機の軍用機は日本機だけではないだろう。
主人公の所属するコトブキ飛行隊はみんな陸軍の隼に乗っているが、そのうちメッサーやスピットファイヤや、ラスボスはMe262あたりかと楽しみにしていたが、一向に出てこないのは残念だった。
そのくせ最後だけ米軍のセイバーが出て来たりと、よくわからんこだわりだった。
隼で必死にドックファイトするのは大いに結構だし、個人的に好きな機体なので構わないが、大戦初期の隼で、「大東亜決戦機」とまで言われた四式戦闘機「疾風」を特に苦労なく落としていくのはどうなのだろうか。
その他にも後期型零戦の52型をあっさり落としたりと、機体の性能差に対しての演出がない気がする。
ガルパンみたいに説明がないとどんな機体乗っても一緒に写ってしまう。
そのくせにラスボスとして登場した震電は圧倒的な性能差だったりと、そのあたりは一致しない。
描写については、文句なしとしか言いようがない。
日本軍機の特徴である、片側づつ畳まれていく脚や、空戦フラップの動き、キャノピーの中の描写など、実機を相当取材されたのであろう。
そんなに何回も本物を見てないが、リアルだった。
流石に、映画版としてとんでもない出来栄えの「スカイ・クロラ」には勝てないと感じたが、TVシリーズであるし、充分。
ヒコーキ版ガルパン?との触れ込みで始まったコトブキ飛行隊は、残念ながらバランスにかけると言える出来だった。全体的には満足しているが、ならばもう少しどうにかならなかったのかと思う部分も多かった。
ヒコーキ好きで、ガルパン以上に細かい事にツッコまない人のみにおススメ!