稲葉姫子 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.5
状態:----
めったにないアニメ
ストーリーって、いくつかのパターンがあると思います。
ラブコメ(ラブストーリー)
何かの目標・目的に向うもの
主人公等の成長
謎の探求・謎解き
などいろいろあります。
この氷菓は、なぜ子供時代の千反田えるは祖父の話を聞いて泣いたかを探求するわけですが、地味といえば地味、大きな事件も何もありません。
この米澤穂信さんの原作(文庫209ページ)をアニメーションして魅せてしまう(1話~5話)京都アニメーションの実力は本当にすごいなあと思います。他のアニメ制作会社ならここまで私たちが惹きつけられたかわかりません。
第22話「遠まわりする雛」はある意味アニメーションぽいアニメーションであり、一般的なアニメーションの手法にのとったラブストーリーで、万人向けになっています。私も好きな話ですが、この話より第18話「連峰は晴れているか」の方が心に訴えるものがあるような気がします。小木先生はなぜヘリコプターを気にしていたかという謎を解くわけですが、折木奉太郎がその謎を解いた時に小木先生が空を眺めていた気持ちが伝わってきた気がしました。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンは別格として、最近の京都アニメーションはこのような感動する作品が作れないと思わずにはいられません。自社でイニシアチブを持って作品を作ることもわかりますが、他社の原作でも創ってほしいものです。
めったにないアニメを京都アニメーションに期待します。