Worker さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
こんな作品を待っていた
私が考えるに、この作品は2019年の冬アニメの中で最も素晴らしい作品だと思っている。最終話を見終わった後は、書店に走り新装版の小説を買ったほどだ。しかし私の周りの人々は、一人としてこの作品を視聴していないのだ。さらに、彼らは口を開けば「五等分の花嫁」である。関係の無い話だが、私はその作品を観ていない。何故人々はそれを観てこれを観ないのか、甚だ疑問である。
確かに話の内容は万人受けするものではない。ネタバレを防止するために、「それいけ!アンパンマン」と比較して話をするv。これは作品のどちらかを揶揄しているわけではない。悪を倒すというコンセプトが共通の、誰もが知る作品だからだ。
初めに、「それいけ!アンパンマン」は、アンパンマンが正義の味方でばいきんまんが悪である。この段階で既に違いが生じている。「ブギーポップは笑わない」は、ブギーポップは「世界の敵の敵」でマンティコアなどが「世界の敵」である。即ち、ブギーポップは正義の味方ではないのだ。一般的な言い方をすれば「ダークヒーロー」。そのため、「困った時に助けに来てくれる」などと考えてはならない。私はそこを評価している。困ったことがあれば、多少は各自で対処しなければならなく、すると人々は頼るだけではなく自分で行動する。この作品では、ブギーポップは「世界の敵は敵」でそれを取り巻く人々がおそらく正義の味方なのだ。
次に、「それいけ!アンパンマン」の世界は平和である。平和の状態から開幕し、悪役が登場、正義の味方が倒して閉幕する。多くの場合がこれだ。しかし、「ブギーポップは笑わない」はやはり異なる。何処か絶望的なのだ。悪を倒してもまだ脅威が存在する。当然のことのようで、それが視聴者に小さな恐怖と大きな興奮を与える。さらに、闘うことを強いられる登場人物に何か宿命のようなものを感じ、作品のというもの深く感じさせるのだ。
最後に、「それいけ!アンパンマン」は子ども向けの作品である。それに対し、「ブギーポップは笑わない」」は、は大人少なくとも高校生以上に向けられた作品である。対象年齢の違いなど言うまでもないだろう。しかし、真意はそういうことではない。作品の舞台が高校であるから当然なのだが、「ブギーポップは笑わない」の登場人物の多くは高校生である。しかし、彼らの精神年齢は高校生を優に超えている。例えば、恋愛が純愛であったり、絵画に感動していたり、難しい本を読んでいたりだ。中でも素晴らしいのが行動力だ。その勇気や決断力は、私達も学ぶものがあるほどだ。ここでも「正義の味方」が生きてくる。
私がこの作品を一言で表すなら「格好良い」だろう。登場人物も世界観も内容も全てが最高に格好良い。私はこんな作品を待っていたのだ。
毎度のように描いていることだが、声優のことはよく分からない。例えば挿入歌を歌うなどすれば興味を持つが、そうでなければ私はその声優を知らないだろう。そのため声優の評価は☆3.0だが、特に問題は無い。