TaXSe33187 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
錯乱系主人公の保志さん(通常運転)
大筋の展開は物凄くシンプルなのに、それを上回ってキャラが魅力的な作品
敵の造形は毎回同じだし、味方の機体も量産型で特に違いがあるわけでもない
話はシンプルで、「正体不明の大型エイリアンの行進(侵攻ではなく)を止めるべくロボットが戦う話」とこれまた非常にシンプル
そこに、鹵獲され味方となったエイリアンとそれに唯一交感できる少女、
味方のエイリアンを殺したい程憎む主人公が登場するだけで凄まじい魅力が生まれる
主人公は元々独り善がりな部分が強いが恋人を深く愛していて、その恋人を先述の味方エイリアン(以下フランク)を復元する実験の過程で死なせてしまう
その悲しみと、恋人の死の直前に見せたフランクの動きから憎悪を爆発させて、名前や経歴、顔すら捨てて復習のために動くようになっていく
そしてその中で恋人にそっくりな少女と出会うが、その少女はフランクと交感できる唯一の存在としてフランクと心を通わせている
死んだ恋人と似た少女はかつての恋人同様にフランクを大事にして笑顔を向けている、
しかし少女はフランクを憎み利用する自分に対しては微笑みかけてくれることはない…
主人公の心は少女を通して過去の美しい思い出とフランクへの憎悪の間を行き交い、
半ば狂気に身を委ねつつも様々な出来事を通して実験中の真実やエイリアンの正体に迫り、自分の心を見つめ直すようになる
ここに癖の強い仲間達や政治的なドラマが重なってシンプルながら奥深い物語になっている
音楽も素敵で、幻想的なOPの美しさもさることながら、本編とまるで空気の違うEDすらも意味を持っている
初めて聞いたときは笑ってしまうくらいテンションが合わないが、本編の謎が明かされた瞬間に鳥肌が立ち泣きそうになってしまった
とあるキャラの行動やら全体的な流れにややおかしなところもあるが、
それを踏まえても纏まりがよくすっきりとした気持ちになれる最終回を迎えられる良い作品だった。