鰺鱒 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
終末に対する漸近線
[2019/04/24 v1]
原作知らず。
すこし前に視聴したのですが、放置していたことに気づいたので、今。
OP/ED、劇中歌、いずれも良かったです。
曲調と作品の世界観がマッチしているようなしていないような、微妙な空気感がまたじわっときました。
漸近線。lim x→∞ の呪文と共に出てきた数学のアレですね。
限りなく遠くにおいて、曲線に限りなく近づく、しかし交わらない線。
あるときから、チトとユーリの旅路を「終末に対する漸近線」のようだと思いながら見ていました。寺院の後あたりから、かな。
一見すれば、終末という曲線と二人の旅路という線は一致しているようにも見える。でも、「交わらない」。限りなく終末に近く、しかし二人は旅を続ける。生きている。願わくば、漸近線であり続けて欲しい。しかし、限りなく遠くまで続く終わりの無い旅は、果たして二人にとって幸福なのか。あるいは、終末との交点を持つことが彼女らの幸せなのか。
どこにも正解が無い。
こちらのそんな苦悶とは関係なく、女の子二人は時々けんかもしながら、のほほんと旅を続けていく。終わるまでは、終わらないよ。
観るのが辛く、でも観ずに居られない、そんな作品でした。
(たぶん、彼女らの旅に対する漸近線が「終末」なんだろうけど、ここはスルーで)