退会済のユーザー さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
未来は必ず存在する
過去を変えることはできなくても、未来を変えることはできる。まるでテクノロジーの進歩のように。
もし我々に人工知能があれば、機械、ロボット、コンピューターと会話できるかもしれない。人類の発展は止まらない。想像以上に美しい。
時に間違った人々がその力を悪用し、世界を支配しようとする。独立と反乱のために社会への破壊を目論む。
阻止するためには、誰かが同様の力で奴らに対抗しなければならない。この世の全ては国家、法律、領土の三要素などで成り立っている。
忘れてはならないのは特殊部隊の存在。国家成立の一つで、完全なる義務。
では、そろそろ上記について話しましょう。ここから先はこの作品のトピックです。攻殻機動隊の世界へようこそ。
攻殻機動隊は長い歴史があります。漫画版から始まり、映画も作られ、更にはTVシリーズにもなりました。
僕は漫画版を読みました。とても面白くポテンシャルが感じられます。映画版も素晴らしいですね。設定が十二分に活かされています。
そしてこのTV版も...優秀です。このTV版はStand Alone Complex、通称「SAC」と呼ばれています。このタイトルは劇中の専門用語としても使われています。
ストーリー自体はそこまで難解ではありません。複雑そうに見えるだけです。それでも惹かれるものがあります。
至る所に伏線が散りばめられており、それを見事にほぼ全て回収している所が良い。最初から最後まで激しいシーンが多く見受けられますが、騙されないように。
基本的に、会話がこの作品の8割を占めています。恐らく少しでも聞き逃してしまったら、確実についてこれないでしょう。
主要人物は公安9課で構成されています。有能な警察です。首府も彼らに全幅の信頼を置いています。
色々な事件を解決し、「笑い男(わらいおとこ)」や他の団体が関与する非合法活動を取り締まるのが本作のテーマです。笑い男はストーリーに大きく関わります。
シリーズを通しての主人公は「草薙素子(くさなぎもとこ)」。彼女はスーパーウルトラクールな女性キャラで、僕の好きなキャラの一人です。
彼女の体は脳や脊髄などを除いて義体化されています。故に彼女は生身の人間ではありません。
比類なき身体能力を活かし、仲間と「ゴーストの囁き」により敵を殲滅します。一目惚れですね。
これに加えて、「バトー」を含む登場人物達は実に頼もしく心強いです。各々が意味深な過去を持っています。特にサイトーです。
彼については、2nd GIGと呼ばれる続編で深く掘り下げられています。サイトーの過去に興味がおありでしたら、こちらもどうぞ。
映像面に関しては、非常によく出来ています。どの回も乱れが少なく、とても見やすいです。メカのデザインも質が高い。
音楽も特筆すべき点ですね。菅野よう子氏の作曲、Origa(オリガ)さんとScott Matthew(スコット・マシュー)さんの歌がとても作品に合っています。
残念ながら、Origaさんは数年前に逝去されました。ご冥福をお祈りいたします。貴方は華やかな歌手です。
欠点はあまり思いつきません。強いて言うなら、終盤は思わせぶりな描写が目立った所ですかね。
SACは言葉で表せないぐらい卓越した作品です。僕の書記が足りないせいで、本作の魅力はあまり伝わっていないのかもしれません。
ですが、SACは間違いなく2000年代の良作です。これだけは断言できます。将来的には本作のBlu-rayを買う予定です。
ネットは広大だわ。