退会済のユーザー さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
新世界の始まりだ
「世の中に知らしめるんだ 僕の存在を...正義の裁きをくだす者がいるって事を」
夜神月はこう言った。自分が誰よりも正しいと思っているからこその言葉。その理由は世界が腐敗し、犯罪だらけで、不平等だからだ。
これは現実世界にも言える。様々な事件や紛争が時々、我々の生活に影響を及ぼす。
戦争は一部の国で起きている。主に過激派。真の平和は程遠い。
だが、いつかそれらが終わる時が来るだろう。たとえ数百年後でも、千年後でも。
...では、本題に入りましょう。デスノートは僕の中で最高傑作です。この作品は道徳性と社会性について学ばせてくれます。
最後まで目が離せない展開、奥深いドラマ、そして魅力的な要素の数々。
上手く説明できませんが、一度観たら忘れられないぐらいのインパクトがあります。それぐらいよく出来ています。
余談ですが、僕はこの作品のDVD-BOXを購入し、数年後には海外版Blu-rayも買いました。国内版BD-BOXが発売される前に。
ストーリーは主人公「夜神月(やがみライト)」の波乱万丈な人生を描いています。
月はふとしたきっかけにより「デスノート」を拾います。悪を裁く度にノートを手放すことができなくなり、結果的に月は「新世界の神」として世界を正しい方向に導こうと決意します。
このアニメの真骨頂は多くの強敵との心理戦です。単純な殺し合いではありません。特に注目すべきは「L」という存在。
Lは頭脳明晰で桁外れな洞察力の持ち主であり、月の宿敵として立ちはだかります。
二人はそれぞれ確固たる信念を持っており、お互いに譲れぬ立場で相手を出し抜こうとします。まさに天才同士の騙し合いですね。
他にもユニークで賢いキャラが多く、掘り下げも徹底的に行われているのでご安心を。
作画のクオリティーはすごく良い。使い回しもありますが、基本的には安定していて綺麗です。
キャラの見た目も原作を忠実に再現しており、何一つ穢れなし。ストーリーも同様。
デスノートを用いた殺戮描写は驚くほど印象的かつ残虐。雰囲気は常に緊迫としており、それを示す特殊効果や画面もまた注目の的です。
人間は誰かの心理を読み解くことが難しい。それができるのであれば、その人は「神業」という優れた能力を備えているのでしょう。
月とLは神業を持っています。なぜなら彼らは天才だから。二人を観ていて快感なのはそれがあるからです。
BGMも素晴らしい。僕の好きな曲はライトのテーマ、Lのテーマ、事件、期待、孤独です。
OP・EDテーマもすごくキャッチーで歌詞も合っています。僕はNightmareの曲が好きですね。「アルミナ」は僕にとってナンバーワンの曲です。
声優陣の演技もかなり上手く、引き込まれます。月の声が大好きです。
冷静、怒り、笑い。あらゆる感情表現を完璧に演じ分けています。さすが宮野真守氏。
Lと他のキャラの声も絶妙にマッチしています。聴いていて楽しいですよ。
長所ばかり挙げてきましたが、全てが良いとは限りません。最も賛否両論な点は...やはり中盤以降の展開ですね。
これまでの積み重ねがことごとく活かされておらず、心理戦のレベルも格段に落ちています。
あるキャラ達の知能指数がエリートクラスで高く、そのキャラ達の主張も矛盾が多いです。
さすがの月も彼らに翻弄されまくり。面白味は一直線に失われてしまいます。
一応、それなりの補足や「救い」はありますが、それ以上に首をかしげる部分があるので、あまり納得できない。
デスノートは完璧なアニメではありません。ですが、いくつかの欠点に目をつぶれば、完璧に近いアニメと言えるでしょう。原作も好きです。
このアニメは万人向けのスタイルではないです。しかし、スリリングを体験したいなら、今の社会に疑念を抱いているのなら、お薦めします。
初レビューを読んでいただきありがとうございました。拙い文章ですが、この作品を視聴する際の参考になっていただければ幸いです。