rie-ru.2 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
砂糖菓子の愛情は剥ぎとれない
全てが間違っている物語。
正常な感覚で言えばまともなキャラクターはかなり少ない。
そして、各々が抱えるゆがみはどこかから刻まれ受け継がれていて、元をたどればキリが無い。
正しいキャラクターも、正しくない結末へと導かれてしまう。
それぞれの愛は異なっている。それが生まれた理由も違っている。
純粋さ、汚さ、切実さ、すべて千差万別。
それらが見境なく刹那的に連鎖した時、物語が破滅に向かわない筈があるだろうか。
いわばこの作品は、後先のない愛の恐怖を、そのむせ返るほど甘い彷徨を描いたもの。
それはきっと大人から見ればバカバカしい、けれど少年少女から見れば突き刺さるものなのだ。
…少なくない人が、松坂さとうの、そして彼女を描く絵描きの欠落を一度は感じたことがあるんじゃないだろうか。
愛を描いているのにどうしようもなく感じるのは、おそらく本作がそれを病気として見ているからなのだと思う。
瓶が壊れても、空っぽでも、毒を入れても、そして満たし方を間違えても、
それは正しく欠落を埋めたことにはならないのだ。
(余談)
過剰すぎる演技が浮いていた気もするのは、原作を映像化するにあたっての調整の難しさなのかな。
原作未読なので分からないけれど…
あと、7話までは我慢が必要な作品かもです。