STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
一夏の出会いによる成長譚
一発で湯浅 政明監督と判る作品で、独特のポップセンス溢れる映像はアート的と言えそうだが、
それだけでなくデフォルメにより対象のイメージを明確にする役割も果たしているように思える。
それでいて、背景などはやけに写実的だったりして、このブレンド具合が面白い。
こういった強い個性は一つの武器なんだろうけど、この癖の強さは苦手な人もいるわけで
好き嫌いがはっきりしやすい印象が強い。
内容的には自分の感情を出せなかった少年の足元 カイが、人魚のルーとの出会いで自分に正直に
なっていく、結構シンプルな印象のもの。
メインモチーフは人魚だが、一般でイメージされる人魚とはまた違った感じが面白い。
もう一つ重要な要素が音楽で、特にダンスシーンに代表される映像とのリンクシーンが見どころの
一つといった印象。
この人魚と音楽の組み合わせが独特の面白さを出しているが、作中のバンド名でも出てくる
セイレーンの歌声の伝説辺りから音楽と関連付けたのかな。
キャストに関して、劇場公開オリジナル作品の場合、非声優で主要キャストを固める作品と、
テレビアニメ同様に声優中心にするものとあるが、本作はその中感的印象。
ルー役は子役の谷 花音氏がいい感じだったが、足元 カイ役の下田 翔大氏はイマイチ感が。前述の
非声優で固めたような作品だと逆に気にならなかったりするけど、本作のようにバンド仲間の
寿 美菜子や斉藤 壮馬、カイの父親の鈴村 健一といった声優らしい人に囲まれてしまうと、やはり
浮いて聞こえてしまう。
2019/04/20