うにおいくら さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
絵が良い。歌も良い。
ボンズ制作のオリジナルアニメ。
火星に人間が移住してしまった時代の物語。
そんな時代なのに歌手を目指した女の子二人の物語。
火星の大気がどうの、重力がどうなっているかなどをツッコむのはご法度。
どうにかなっている事を前提に話が進みます。
最初は全く見る気もなかったが、出演声優陣が豪華すぎるので見てしまった。
見て驚いた。
兎に角、絵がキレイだ。京都アニメーションやIGとは違うテイストの存在感を感じる絵だった。
ただオジサンには新鮮な作画だが、これは好みが別れると思う。
ただ好き嫌いを除けば作画にもうるさいオヤジでもこれは安心して見られるレベルだろう。
そして話のテンポも良い。無駄な引っ張りは無いが、どうでも良い話はたまにある。まあ、ご愛敬か?
流石はボンズ20周年・フライングドック10周年の記念作品と言っていいだろう。
プライドとそれに似合う実力を感じる作品だ。
よく見ると、監督は渡辺信一郎。
『カウボーイビバップ』『坂道のアポロン』『残響のテロル』などの話題作を生み出した監督だが、今回はまたタッチを変え、挑戦的なアニメを生み出した。実はこの監督の作品は結構見ている。偶然なんだけど。
そう言えば、渡辺信一郎(監督)×ボンズ(アニメスタジオ)×フライングドッグ(音楽レーベル)というタッグでの作品はこれが3本目。
このタッグはどうも宇宙の匂いが漂う。
ちなみに前2作は『カウボーイビバップ』『スペース☆ダンディ』
どちらもお勧め。
この物語のアルパシティという名の都市は『カウボーイビバップ』でも登場する。
で、この作品、兎に角歌が良い。全曲英語の歌詞だがこれが良い。
チューズディの弾くギターはGibson。
良い音色だ。だが実際はマーチンの音が入っていたりしていないか? などと突っ込みを入れてはいけない。
演奏シーンは手書き。今はやりの3Dではない。
作画担当の執念と素晴らしい技術が堪能できる。
これは監督の作画担当に対する嫌がらせ、とも言えない事はないと思うがどうであろうか?
さてそのチューズディ。CVは市ノ瀬加那なのだが、また彼女はフラれる。
『ダーリンインザフンキス』『色づく世界の明日から』に引き続きフラれる。これで3度目。
今回も幼馴染ではないが片思いで、思いを寄せかけていた記者に彼女が居る事を知って落ち込む。
市ノ瀬加那にはもう『フラれ役専門の声優』という称号を与えてもいいのではないかと密かに思っている。
是非とも4作目で華々しくフラれて頂きたい。
特筆すべきは 堀内賢雄。
おかまチックな 堀内賢雄の声を聞いたのは初めてだ。それがまた似合っていた。
それに山寺宏一のお姉言葉も捨てがたい。
大御所二人に新しい境地を展開させるこの作品。
ここまで来ると監督の嫌がらせとしか思いようのないキャスティングだ。
主人公に絡む脇脇役で出て来た佐倉綾音。彼女の声を聞くといつも思うんだが、多彩な声優だなと思う。
スッと出てきて主役も脇も自然と演じられる。 佐倉綾音を意識せずに見ていられる。私はこういう声優が案外好きだったりする。
この作品、声優陣が豪華だ。
宮野真守にはもっとはじけ飛んでもらいたかったが、こういう役は彼の十八番だなと改めて感心した。
兎に角、盛り上がりはあまりないがオジサンが見ても安心できる作品であることは確かだろう。