STONE さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
美少女+レシプロ軍用機+西部劇
メインモチーフは美少女と第二次世界大戦時の軍用機ということで、同じ水島,努監督の
「ガールズ&パンツァー」(以後、ガルパンと表記)の空版がやりたかったのかなという感じ。
空中戦シーンはなかなか良くて、個人的には音が印象深かった。
ガルパンでも思ったが、リアリティと、エンターテイメントとしての嘘のバランスが良い。
終盤において、富嶽、震電、キ64などの試作機・計画機やジェット戦闘機であるF-86Dが
登場するが、こういった手法による強敵感の出し方はガルパンにおけるマウスに通じるものが
あり、やはり盛り上がる。
メタ的にどういう理由でそうなったのかは判らないけど、登場機はほぼ日本機縛りに
なっている。(F-86Dは自衛隊が使用していたということで登場したのかな)
この辺に関して、ストーリー上は納得のいく説明付けがされていたが、第二次世界大戦時の
軍用機は日本以外にも魅力的な機体がいっぱいあるだけに、そういった機体も見たかったと
いうのはある。
ガルパンの場合、登場する学校は設定的には全て日本校だが、それぞれが特定の国を
意識したような校風、キャラ設定、所有戦車の特徴になっている。
これが戦いにおいては国別対抗戦のような面白さを持ちつつ、それぞれのキャラの掘り下げにも
役立っており、こういった良さを本作に持ち込んで欲しかった感もあった。
雰囲気や世界観などは西部劇を意識したようで、各話のサブタイトルも往年の西部劇の邦題を
もじったもの。
とは言え、西部劇そのものではなく、SF的設定により西部劇っぽい雰囲気を
醸し出しているという点では「戦闘メカ ザブングル」や「TRIGUN」を思い出したりした。
また、設定は殺伐としていても全体に明るいテイストだったり、前半においては話があまり
動かず一話完結っぽい色合いが強かったこともあって、当初は70-80年代のアメリカの
アクション系テレビドラマに近い雰囲気も感じていた。
そういう意味では一話一話を気楽に観る分にはそれなりに楽しめていたが、全体を貫くような
ものはあまり感じられず、「面白そう」から「面白い」に至るまでは時間が掛かった感じ。
最終的な盛り上げはさすがといった印象だったけど、やはり終盤に押し込んだような印象は
拭えなかった。
キャラに関して、ストーリーを動かすための掘り下げは行われていたようだが、キャラ自身の
魅力を打ち出すような掘り下げは足りなかった感があり、今一つキャラに魅力を
感じられなかった。
「まあ1クールだから仕方ないか」と思ったりもしたが、ガルパンなんかは同じ話数でもっと
多くのキャラを魅力的に描いていたように思える。
「この違いはなんだろう?」と考えたりしたが、ガルパンだと戦車戦がない回もあったりで
キャラ描写にそれなりに時間を取っていたが、本作は終盤まで一話完結のような構成に
なっていためか、一話ごとに空中戦を山場に持っていっており、そのために全体にキャラ描写の
時間が少なかったように思える。
個人的にはCGアレルギーのようなものはないが、それでも本作のようにキャラ描写でCGと
手描きが混在すると、転換されるごとにちょっとした違和感は感じてしまう。
2019/04/20
2020/04/03 表現方法変更
2023/09/21 加筆・修正