ようす さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
出会いも別れも、悲しいだけのものじゃない。愛する人たちが、今の私を織り上げていく。
脚本家として「あの花」や「ここさけ」が有名な
岡田麿里さんが初めて監督を務めた作品。
絶対泣かせにくるんだろうなー、
そう簡単に泣いてやらないぞー、と思ってたのに、
見事返り討ちにあい、大号泣でしたww
120分ほどの作品です。
● ストーリー
十代なかばの若い姿のまま数百年を生きる長寿の一族“イオルフ”。
彼らは人里から離れた土地で布を織って暮らしていた。
ある日、不老長寿の血を狙う国王によって里が襲われる。
少女・マキアはレナト(翼の生えた巨獣)によって遠くの森へ運ばれ、
逃げることができた。
森の中を彷徨い歩くうちに、
赤ん坊の泣き声を耳にする。
そばで母が死んでいる赤ん坊を拾い上げ、
自分が母となって育てることを決意するマキア。
赤ん坊にエリアルと名付け、一緒の生活が始まった。
エリアルはすくすくと成長していく。
長寿の種族であるマキアと、人間のエリアル。
見た目が変わらないマキアと、
どんどん成長していくエリアル。
マキアの見た目は変わらないので、
エリアルの成長が物語の中の時の経過を表現しています。
この作品は、
結局何のお話と言えばいいのか。
血のつながりのない親子の絆、
すべてを失ったはずの少女が手にしたエリアルという光、
子が育ち、親のもとを離れていくさだめ、
子は親にとって何にも代えがたいものだというメッセージ…。
いろいろと言えますが、
一番伝わってきたのは、愛の偉大さかな、と思いました。
愛は、人生を豊かにするもの。思い出を刻むもの。
人を大きくさせるのは、
愛の力なのだと思える作品でした。
子どもを持つと顔つきが変わるというのは、
強い愛のパワーと覚悟によるものだろうなと、改めて思いました。
ちなみに私はこの作品の中で2回大号泣でした(´;ω;`)
{netabare}
・別れの時にエリアルが呼ぶ「母さん」という言葉。
・エリアルとの最後の別れに、泣かないという約束を破ってしまうマキアの姿。
{/netabare}
泣きすぎて、
映画館で見なくてよかったと思いましたw
映画館で見ていても、これは泣くのをこらえられなかっただろうな…
全力で泣いてたと思うw
だけど、悲しさよりも、
美しいという印象が強い物語でした。
≪ 美しい裏の、残酷な物語 ≫
マキア視点で物語を追っていると、
辛いこともあるけれど、エリアルの存在が幸せな光を灯し続けています。
しかし、登場する他のイオルフの民たちは
ひどい境遇を生きている…。
こちら視点で物語を進めた場合、
とても鬱々とした物語になりそうです。
でもそれもまた、現実であり、
目をそらしてはいけないということなのか、
それとも歪んだ愛の形を示しているのか…。
● 音楽
【 主題歌「ウィアートル」/ rionos 】
優しい曲。
初めはマキアが歌っているのかと思いました。
マキアをはじめとする、
親としての優しい愛が感じられる曲です。
この曲でのエンドロールは、
雰囲気MAXで余韻も心地よかった…。
● まとめ
恋の話なのかなと思っていましたが、
もっとスケールが大きかったです。愛の話でした。
登場人物たちの深い愛に感動しました(´;ω;`)
いい作品でしたよ…!
注がれた愛を心に宿し、さらに紡いでいくために、
愛によって守り、育てよう、この子らを。
私たちの歴史は、
愛によって紡がれるものでありたいです。