二足歩行したくない さんの感想・評価
4.5
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ビジュアルアーツで育ってきた妙齢のオタクにはたまらない
PCゲーム業界で我々を牽引してきたビジュアルアーツの面々がプロジェクトとして参戦した、まさかのオリジナルアニメ作品。
脚本・音楽を麻枝准、キャラクター原案をNa-Gaが担当。
なお、終了程なくゲーム化の発表がありましたが、全6作という触れ込みの中、1作目が作られた以降音沙汰がなく、ゲーム化のプロジェクトは終了したそうです。
ビジュアルアーツで育ってきた妙齢のオタクにはたまらない内容で、端的にいうと、常識的で一般的な主人公がありえない状況に置かれ、無茶な仲間たちに振り回される話になっています。
どこかの学校らしき場所で目が覚めた少年・音無は自分が記憶を失っていることに気づく場面で物語が始まります。
音無は、そこで出会った少女・ゆりに、ここは死後の世界であり自分達は死んでいることを告げられ、ゆりはそこで神に抗うために行動していることを聞き、「天使」と呼ぶ眼前の少女に標準を絞り引き金を引こうとしている。
にわかに信じられない音無は、「天使」の少女に事情を聞くと、同様にみんな既に死んでいることを少女からも告げられ、狼狽える音無は、「それを証明しろ」と言うと、少女の手から生えた刃物に胸を貫かれてしまう。
もう死んでいる音無は保健室で目覚め、改めてゆりに、死んだ世界戦線(SSS)に参加し、天使と戦うことを勧誘されるというストーリー。
死後の世界と言いつつも、その世界は学校をメインとする都市が全てとなっており、主人公たちは何故かその生徒としてキャストされています。
SSSの構成メンバーは同様に死んでやってきた面々で、学校には音無達SSSメンバー以外にも生徒がいるが、彼らに意思はなくNPCと呼ばれており、彼らと同じように授業を受けると同化して消滅してしまうため、SSSのメンバーは反学園的行動を起こして自らの意思を保ち続けています。
そのある意味生存するためやむを得なくやっているはずの反学園的行動が凄まじかったです。
特にゲリラライブのシーンは力が入っていて、作中のガールズバンド「Girls Dead Monster」の楽曲は名曲揃いだと思います。
基本的に全曲、作詞作曲がだーまえなので、古残ファンにもおすすめ。
個人的にはアルバム収録曲ですが、"23:50"がお気に入りです。
また、SSSのメンバーもKeyらしく個性的すぎるほど個性的で、楽しい作品になっています。
残念なのは最終的なこのSSSメンバーの扱いで、個性的にも関わらず一人一人のストーリーがちゃんと描かれていないのが非常に残念でした。
このあたりは別のメディアで補足されているそうなのですが、アニメはアニメで違和感なく完結させて欲しかったと思いました。
また、内容的に矛盾が多く、寒い展開、イタい展開が多めです。
有名な10話の「してやんよ」の連発など、感動的なシーンだと思うのですがノレなかったです。
最終回はとても良かった。
詳しく書くとネタバレになってしまうのですが、最終回の先を描かずにエンディングテーマの演出でそれを想像させるのが、すごく良かったです。
どんな最終回だったのか、それすらも視聴者に任せるようなラストでしたが、なぜかハッピーエンドを確信させるような、そんな終わり方でした。