「PSYCHO-PASS サイコパス2(TVアニメ動画)」

総合得点
84.8
感想・評価
2439
棚に入れた
13716
ランキング
273
★★★★☆ 3.8 (2439)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.7

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ネタバレ

ひゅーま さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 1.0 作画 : 3.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 1.0 状態:----

原作殺し、ひどい

大変つまらない作品、1期と比べると物凄く底の浅い物語でした…
続きものである今作の脚本上の大きな問題として、
①登場人物の知能レベルの低下
②設定の粗
があると思います。

①登場人物が全体的にアホになってしまっています。特に気になったのは、1課のメンバーはともかくとして、その他の監視官・執行官がド無能であることです。
前作でもモブ公安達はシビュラに盲目的に従う存在ではありましたが、それは社会に疑問を抱いていないというだけで能力的には有能な潜在犯であり、ドミネーターを持つのに相応しい人々でした。
今作の目玉のひとつ(にしたかったであろう)、薬局立て篭りのシーンでは、行方不明になっていた同僚からの明らかに怪しい呼び出し、監視官が入った後シャッター閉鎖、通信途絶、急激なエリアストレス上昇といったどう考えても異常な事態に対して、外で待つ執行官たちは「なんだあ?」「監視官が居ないし指示を待とう」などと死ぬほど悠長です。
そこにやってきた霜月監視官は責任を負いたくないので静観するのですが、同行した六合塚(ギノも?)すらそれを正そうともしません。みんな無能です。
これは1つの例で、物語の中で謎解きや状況判断など随所にこのような「アホか?」と思わざるを得ない展開があり、脚本家の底が知れるな、と感じました。

②設定の粗については、「免罪体質」に通ずる今作のキーワードとして「集団的サイコパス」というものが登場しましたが、これが腑に落ちません。ラスボス(?)鹿矛囲桐斗は184人の体や脳を繋ぎ合わせた存在で、シビュラには見えない透明人間らしいです。しかし、サイコパスは生体力場から測定されるのでは?何人分の体で構成されようと一人の人間として機能していれば普通にサイコパスは測れるのではないか?繋ぎ合わせた脳は部品の数だけ別の思考や人格を持っているの?
というか、仮にサイコパスが測れなくても普通に戸籍や視覚的情報、テスト結果などまで管理していたはずでは。意図的に隠れなければ普通には生活できるはずで、そうでなければシビュラには順応性が無さすぎる。そんなんでは不便すぎて社会の支配などはなから無理でしょう。
そして、ラストでシビュラは集団的サイコパスを認識することにして、「個人では普通でも集団はサイコパスかもしれないという人々の認識は、社会を悪い方に変えるかも」みたいなことを言っています。
しかし、集団的サイコパスってそういうことなの?鹿矛囲桐斗とシビュラを同じとするならば、彼らは別々の思考を繋ぎ、統合する例外的な存在だったことでこれまでサイコパス(色)を計測されなかったのですが、普通の人々による集団は別に思考が直接繋がってるわけではないので、それらは明確に別物のような感じがします。鹿矛囲のような例外に合わせて作った「集団的サイコパス」をわざわざ社会にも適用する必要はないのでは?
このように深いようで上滑りしている設定やテーマが、SF的な管理社会を舞台にして哲学的なテーマを深く、かつわかりやすく表現した一期と比べると大変寒々しく、キャラの魅力も半減させる結果に繋がったように思います。

脚本の気に入らないところを長々と書きましたが、この脚本最大の被害者は霜月美佳でしょう。前作ラストで新人監視官として登場した時は、それまでの登場シーンは僅かだったにも関わらず常守朱に続くホープとして何となく納得の彼女でしたが、なぜあんなキャラクターにされてしまったのでしょうか。あれが1番前作を汚している気がして嫌でした…

1クールだから掘り下げが…などとも言われてますが、そんな問題でもありません。観なければ良かったとまで思います。

投稿 : 2019/04/19
閲覧 : 365
サンキュー:

9

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