STONE さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
コンセプトを見事に表現
本作のキャッチコピーは「ありそでなかった日常系ファンタジー、はじまるよ〜!」だが、
確かにギャグ、あるいはコメディテイストの強いファンタジー作品は多々あるものの、
女子日常系に寄ったファンタジーは無かったかも。
本当に他愛ない日常描写だけだと、背景や風俗が中世風なだけのきらら系で終わって
しまうので、そこはファンタジー要素をうまく取り込むことでちゃんと
「日常系ファンタジー」になっている感じ。
特にカルタードという設定はストーリー的にも、ネタ的にもこの作品の個性に大きく寄与
している感があった。
日常系の場合、キャラの可愛さは描けてもギャグコメディ表現は今ひとつな作品もあったり
するが、本作はその辺も割と力を入れていた感じ。
基本、キャラに関してはユーシャを始め、皆可愛くいい子達ばかりの優しい世界といった
感じで、元魔王?であるマオちゃんや途中参加のローナ姫など、作品によっては黒い面を
出しかねない立ち位置にいるようなキャラも最後までそういうことはなし。
この可愛いという部分に関してはキャラクター原案のなもり氏の力は大きかったように思える。
そして、可愛い顔に対して、体つきなどは結構肉感的だったのも意外性があった。
肉感的と言えば、マオちゃんの同僚の女戦士が日常でもビキニアーマー装着と無駄に
セクシーなのがなんかおかしかった。
スタッフ談話を読んだ時に「ユーシャパーティーを喧嘩させようとしたができなかった」と
いった内容の記述があったが、確かにストーリー展開のためにキャラの性格が変わるような
ことがなく、最後までぶれていない印象。
基本的にはゆるい世界観だが、それでいてストーリーも適当かというとそんなこともなく、結構
しっかりしたものになっている。
この手の作品でストーリーをそれなりのものにする時に鬱なシリアス要素を入れるパターンが
あるが、本作に関しては終盤そうなりそうに思わせておいて、結局はそういうことはなく、
最後まで明るい感じで終わった。
個人的には、最後まで緩いトーンを保ちつつ見応えのあるストーリーを描けたのは結構凄いこと
なんじゃないかと思ったりします。
2019/04/16
2023/09/17 加筆