oxPGx85958 さんの感想・評価
2.7
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
なんとなく見ていられる
脚本の構成や演技などの悪い点が目に付く平凡なハートウォーミングものですが、なんとなく最後まで見ていられました。これはむしろ何かが非常にうまく行っている証拠なんだと思うわけです。本作のそれは、主人公の小説家を演じていた小野賢章の演技でした。この人にはいままでいい印象がなかったのだけれども、本作は記憶に留めておこうと思います。
この作品では、主人公以外の登場人物が書き割りのようで、血の通った生き物という感じがまるでしません。穿った見方をすれば、これは主人公の狭隘な世界観を反映した描写なのかもしれません。いやそれは冗談で、単純に脚本と演出と演技の問題なのでしょう。でもそのせいで、主人公の実存的な苦境が際立っている、というか。無味乾燥な世界のなかで孤独に生きているという感じが伝わってきて、息苦しいほどでした。そんな主人公像が落ち着いた演技によって的確に描き出されていたと思います。