fall down さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
内容が深い、素晴らしい大人アニメ
おそらく一回見ただけじゃ理解はできないと思います。
この作品においては多くの問題提起がなされていると思われる。
特に物語の核となるStand Alone Conmplexというもの。これはつまるところ無意識下の個が集まり、何かの目的をもった集団、ないしは行動の創出である。今作品においてはクゼという人間がハブ化することによってより強固に、そして巨大に難民ネットワークのようなものとして存在する。そしてそのクゼは、ネットの世界に個のゴーストを存在させ、現実世界を離れて全く新しい枠組みの、ある種新しい世界と呼べるものに「昇華」させようとした。
加えて合田の暗躍による個別の11人事件などが複雑に絡み合ってこの物語を作っているが、やはり前作との違いはこSACのあり方である。
ざっと要約するとこんな感じなのかなと思います。別に合田の件を軽んじてるわけではないですが、この物語での最後の最後のキーマンはクゼだろうと思います。少佐がクゼと瓦礫のしたに閉じ込められた時のアダムとイヴが禁断の果実をかじろうとするメタファー(バトーの十字架の件といい分かりやすすぎるくらいだが)も背筋をゾクッとさせられました。
それから、これはストーリー的に良い悪いの話ではないのですが、ガレキのしたでクゼの革命を少佐が聞いたあと、いくら絶望的な状況だったとはいえ少佐にはクゼの革命に最後まで抗って欲しかった...
ここまでいつでも強気な少佐がクゼの話に乗ったのがショックと言えばそれもそうですが、これは明らかに少佐がクゼを好いていることにほかならないからです。クゼの電脳に侵入した時からもうすでにあの鶴を折っていた少年ということが分かってしまい少佐は動揺してしまう訳ですが、個人的にはそんな少佐は見たくなかったです。どうせなら最後、クゼに引導を渡す役目をかっさらって欲しかったのに、少佐はSSSの方でも明らかにクゼを追っています。まるで初恋の人を探すように。。。
少佐にはそんな女々しいことは似合わない!と私は思ってしまいました。
まあ個人的な感想です。
ともあれ、1st同様素晴らしい出来です。なんせ難しいのであとをひきます。考えたくなります。楽にアニメを観ることを重視している人にはあまり向かないかもしれません。
読書をよくする人、ないしは嫌いじゃない人はこの攻殻機動隊SACシリーズに感銘を受けること間違いないです。
是非観てみてください!