Dave さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
メインキャラっぽいモブが増えた印象…
1. 上々の滑り出し
1話はテンポもいいし、ちゃんとコンパクトながら起承転結が整っていてとても秀逸で、この先に高い期待が持てた。1期を見ている人はもちろん、2期から見はじめてもついていけるような素晴らしい序章だと思う。なるほど、これならモブ(顔)でもモテるよね、という説得感があるし、ただの俺Tsueeではない、熱さと深みが巧みに描かれていた。
2. 音楽
さらに、音楽も素晴らしい。イントロのスラッピング・ベースに始まり、終始ベースの音にエッジが効いていて、さらにサビ前の収斂とキャッチーなサビでの爆発っぷりがスリリングだ。1期もカッコよかったが、2期のOPも2019年1Qのアニソンの中ではNo.1だと思う。
3. 霊験
今回はモブの師匠の描かれ方が割と丁寧。これまでは単に軽薄で無責任だったのが、人間臭さとある程度の深みをもった存在に昇華して、文字通り師匠らしくなった。彼に関しては、「できること」を限定しており、その中での葛藤と打破を描いているので、リアリティがあって共感できたのだと思う。
4. バトル・インフレーション
しかしながら、もともとはモブキャラが努力して少しづつ周囲から認められていく、という成長がコンセプトだったのに、そのためのエッセンスだったはずの超能力と、それを使ったバトルに主軸が移ってしまい、急につまらなくなってしまった。
そもそもバトルものはドラゴンボールが示すようにインフレーションを起こしやすい。視聴者を驚かせようとしてより強く、次はさらに強く、とやっているうちに、もうリアリティのかけらもない「トンでも」になって、キッズ以外は冷めてしまう。しかも一話完結型ならまだしも、何話かにわたってバトルを展開してしまうと、ドラゴンボールの天下一武闘会のような中身のなさ&冗長さ。
5. 求めていたもの
せっかく1話の最後で意味深に登場したツボミちゃん、どうなったの?伏線かと思ったら、完全にいない存在になってしまっていた。別にラブコメを見たいわけじゃないけど、中学生のモブキャラとしては、地球が吹っ飛びそうな非現実的なバトルより、ちょっとしたそういう日常の機微を丁寧に描いた方が共感できただろうなと思う。
彼女に限らず、登場人物が多いわりには堀りが少なく、皮肉にも「主要キャラクターっぽいモブ」が量産されてしまった印象。「仲間」とのつながりや友情を描きたいなら、その背景とか「なぜ」絆が生まれたのかという部分を丁寧に描かないと、薄っぺらな博愛主義のようになってしまう。
6. 素材を生かしきれなかった
決して悪い作品じゃないし、評価すべきところはたくさんあるんだけど、1話ですごく高い期待をしてしまった分、後半にかけての冗長感が否めない。言い換えると、もっとうまくできたんじゃないか…そういう意味で惜しいなと感じる作品でした。