シャベール大佐 さんの感想・評価
3.6
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ややアイデアに乏しく、「お仕事」的な雰囲気を感じさせる2期
2017年に大人気となった動物擬人化アニメの続編。全12話。
前作の放送後に、なにやらいろいろ揉めていて、監督や制作会社を変えて作られることになった作品。開始前の時点では、監督にアイカツの木村隆一を起用というのは作風的にはそう遠くない組み合わせという印象で、とりあえずキャラアニメとしてはそこそこ楽しめる作品になるかな、といった予想でした。
で、実際に観たわけですが、感想の推移をざっくり書くと、最初はまあ無難な立ち上がりだったけど、その後は特にどうということのないエピソードが続き、これ大丈夫かな?とちょっと不安になったころ、第5話でかばんちゃんが登場、「おっ!?」と思わせてからの第6話の「えっ?これだけ?」みたいな肩透かしで、「今作はストーリー面では特に何もないんだな」と推測。そして最後まで観た結果、やっぱり何もなかった、みたいな感じでした。とりあえず、物語全体を一言で評価すると中身が薄いという表現になるのですが、なんというか、けものフレンズの世界で描きたいネタやアイデアは特に持っていないけれど、続編を作ることに決まったので全12話をどうやって埋めようか、みたいな「お仕事」的な雰囲気を感じてしまいました。
一方、キャラアニメとしては、毎回のゲストフレンズは普通に悪くなかったです。あまり親切でないと評判の良くなかったアシカやイルカも個人的には全然許容できましたし、第9話のイエイヌも、物語の内容と切り離して単体のキャラとして観るならば、とても良いフレンズでした。問題はメインキャラのほうで、新主人公のキュルルは優しくない言動がときどき気になりますし、前作でお馴染みのサーバルは、今作では何を考えているのかわからない、感情が抜け落ちたようなキャラになっていました。さらに痛かったのは、エピソードを重ねていく中でも、キュルルとサーバルが絆を深めていく様子が見えてこないことで、そのためストーリー上で離ればなれになって心配したりという展開になっても、どこでそんなに仲良くなったの?みたいな違和感がありました。これは一般フレンズたちとの関係についても同様で、毎回の出会いから別れまでの間に、もう少しメインキャラとの繋がりを感じさせる内容が欲しかったです。
作画は、映像的には綺麗ですが、キャラデザや動きに前作の独特の魅力がなくなって、なんだか普通になってしまいました。音楽は、OP曲がいかにも「けものフレンズ」というイメージで良かったです。
最後まで観終わって、全体的に、なんとなくパターンを踏襲しているだけのような安易さを感じました。中途半端に前作を引きずるくらいなら、キュルルとカラカルの完全に新しい物語にしてしまったほうが面白くなったような気もしますが、商売を考えると人気キャラのサーバルをレギュラーで出さないわけにもいかなかったのかな、なんて想像したりもして、まあとりあえず期待には応えられない作品でした。