ももも さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
日々をまっすぐ生きた人々の物語
第二次世界大戦末期を舞台に、ごく普通の日々を暮らしている少女「すず」の半生を描いた物語。
いい評判ばかり聞くので自分の中で結構ハードルが上がっていましたが、それを上回るくらいの素晴らしい作品でした。
個人的に戦争を扱った作品と聞くと、どうしても「メッセージ性だけが突出していて説教臭いんじゃないか?」という先入観があります。
この作品も普通の日常を送るすずに、避けようもない戦争の影が落ちてきたあたりからそういう警戒をしていたのですが、おそらく意識的にでしょう、あくまで大らかで朗らかなすずの視点がぶれることはありませんでした。
また、作中では何度もアメリカ軍からの空爆(空襲)が描かれますが、「鬼畜米英め!」のような戦争作品で頻出の表現は一切ありません。{netabare}アメリカ兵の姿が描かれるのは、終戦後に日本の子供にチョコレートを配っているシーンだけです。{/netabare}
親を、子供を、恋人を思い、日々を精一杯生きる。徹頭徹尾それだけが描かれます。
それだけに、後半{netabare}過酷な運命に押しつぶされてしまったすずのシーンはかなりくるものがありました。。{/netabare}。
視聴後の感覚は、かなりジャンルが違いますがメイドインアビスに似ているかもしれません。
一生懸命生きている人を見て身につまされ、自分も頑張ろうと思える作品です。
戦争の悲惨さももちろん描かれます。戦争は良くないよね、という当たり前の感情も少しは湧きます。しかし、それよりもタイトル通り「世界の片隅で」一生懸命生きている人たちの物語なんです。
おまけ。読んで面白かったので。
『この世界の片隅に』は宝――「実写以上に」戦時中の日常を描ききっている! 富野監督が片渕監督に伝えたかった言葉とは?【前編】
https://ddnavi.com/news/358610/a/
おまけ2。NHKでやってた記念。
片渕須直×細馬宏通トークセッション 「この世界の片隅に」の、そのまた片隅に(前編)
https://magazine.manba.co.jp/2017/02/27/special-konosekaitalk01/
このサイトはインタビューとか考察記事がやたら多いです。見応えあり。