プクミン さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
気になったので見てみた
最初にこの作品のキャッチコピーは、
『キャッチコピーは、家族に会いたい、と初めて思った』
と、公式にも書いてありますが、この作品を見てそう思えるかどうかはかなり微妙です。
理由としては、震災経験者なら分かると思いますが、携帯が通じず安否が分からずという状況なので、家族や友人、クラスメイトとかを気にするのは極々自然の事だと思います。
なのでこのキャッチコピーは違うんじゃないかと思いました。
次に冒頭で 『膨大なリサーチと検証に基づいて~~』 と書いてありますが、この作品の2年後に東日本大震災が起こっているので、震災を知っている方からすれば「これは違う」と思う部分も多々出てくると思います。
なのでこのアニメを見る時は、あくまでもアニメでかなり盛って作られた作品として見ないと、イライラすると思います(自分はイライラしました)。
以下、内容と現実との違いです。
{netabare}
中学1年生の主人公のお姉ちゃんと、小学生3年の弟が少し遠くまで遊びに行ったところで地震が起き、親切なお姉さん(32歳)と3人で実家へ戻る話です。
建物からのろのろと避難していく人々、そして弟を探しに建物内を探し回る姉。
弟を見つけた後、雨宿りをしたり、余震があったり、弟が姉を庇い脳にダメージを受け家に着く前に死んでしまいますが、姉だけは家に戻ります。
次におかしなところ。かなり辛口なので、見たくない人はスルーでお願いします。
{netabare}
・東京湾北部で震源の深さ約25kmのM8.0が起こる。
このぐらいの深さでM8.0だと津波を警戒します。
そして警察や自衛隊は避難誘導を行ったり避難所への案内を行うはずですが、それらが全くありませんでした。
・NEWSがおかしい。
こんなとんでもない震災地にカメラを持ったレポーターは普通これません。
理由は被災者からすれば邪魔ですし、来るにしても震災がかなり収まってからとなります。なので映像を映すにしても上空からになります。
・海上自衛隊がおかしい
船を使って「どこどこ行き~」とありますが、自衛隊はそんな事しません。
救命胴衣も着けないまま船に乗せると、海に落ちた時が大変です。
それにせっかくの船は食料物資等を運ぶ為に使います。
・建造物の崩れ方がおかしい
橋が折れるのではなく、爆発でも起きたかのように不自然に落下します。支えの弱い方から落ちる為、落下はしません。というか、そんな貧弱な作りではないです。
東京タワーも自身で倒れる事はありません。というかどうやったら倒れるのか教えて欲しいレベル。
一般の建物が爆発が起きたように崩れる。
・人が少なすぎる
東京都の人口は2012年の時点で推計約1300万人。人口密度も考えれば、建物内や地下が危険となればもっと人が溢れかえるはずです。
更に危険地域への立ち入りを禁止すれば、もっと密集するはずなのに、かなり人が少ないです。
・建物内への出入りが激しい
橋は落ちる、東京タワーは倒れるレベルでありながら、建物内に入る危機感の無さ。
・地面が綺麗すぎる
ひび割れ、陥没、液状化による影響が少な過ぎ。でも橋は落ちる。
・人々の心理状態
いきなり交通機関は止まり、連絡手段も無くなり、日々余震に怯え、緊張のあまりまともに寝れず、食料や水、排泄等の問題の他、今後の暮らしや仕事、家族や友人の心配から、憔悴しきっていたりストレスでイライラしたり、そういう様がほとんど描かれておらず、まるでこの震災に慣れきっているような人々。
・真夏という暑さを感じない
40度近いような台詞があったにも関わらず、水を欲する人が少なく、暑さで倒れる人もおらず。しかも雨が降っていたので湿度もかなり高いと予想。相当苦しいはず。
・東京の標高は低い
地震によって色々破壊され、ひび割れた地面に海水が入って来て、地面が大変な事になったり、色んな場所から浸水が起きても全くおかしくなく、東京タワーは倒れる癖に、そういった場面が全くない。
{/netabare}
挙げればキリがありませんが、このようにリアリティーの無さが多いので「リアリティーの無いアニメ」として見る方が良いと感じました。
{/netabare}
共感を持てるかと言われれば、全く持てませんでした。
なので1つの作品としてリアリティ無視で見るなら、ありかなと思います。