ハロパ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「熱血」という言葉が尽きる作品(10話前にやめるのはだめ!)
あれあれ、これは名作の中の名作じゃない。今レビューを書くのはなんの意味があるのだろう?
確かに、あのアニメは2つのない名作の土壌にある。古くなると、あのアニメと一緒に成長しなかった世代がその面白さがよくわからなくなって、「過評価」として見做してしまう状況になる。
さらなる評価する、必要があない。
だろうね。
因みに私はあのアニメを見るためには相応しい世代なので(当時で観てないけど、放送されていたときは私は16歳でした)、ある程度共感できたのだ。だが遅れている私はごくごく最近まで観ていなかったです。それに、私は最初に「これは好きにならない」と絶対に思い込んでいたんだ。
時間の流れを簡単に忘れられているだろうが、このアニメはもう10年前放送されていたんだね。何、当時10年代だった私、あの時観ていたなら必ず親しいんでいるアニメだと思う。多分、大きな影響を与えてくれるアニメになれるぐらい。
だがある程度あのアニメの内容は「若者向け」ではなくて、断じて青年にも向けていたアニメである。まして、若者に馴染められるテーマを扱えながらおっさんや爺さんにアピールするのは天元突破グレンラガンの得意なところといえるだろう。
あの時代に思春期を謳歌していた私は、「オバー・ザ・トップ」のネタを使う作品はいつでも見られたことだった。2000年代には、週刊少年ジャンプの影響はまだ衰えていなく、熱血の溢れる少年漫画っぽい展開はどこのアニメでも見られるんだ。まだ「古臭い」、または「簡単すぎ」と感じられてはいない(ま、少しだけバカバカしいと考えられていたけど)。言い換えれば、まだ使い切れたネダではなかった。
日本語の影響から、海外ではそのような作品を指すには「ネッケツ」という言葉が現れた。熱血という言葉は昔から日本語で「熱血アニメ」という熟語に使われていたが、ここは少年漫画の典型的な展開を指すための言葉として使われているようになったわけだ。日本語でも「熱血」という言葉はそのたぐいの作品に相応しい言葉から、それはおかしいものではないと思う。
そして、「天元突破グレンラガン」を指示するため、確かに「熱血」という言葉しか頭に浮かばない。
でもなぜ「熱血」の作品はそれでも「古臭い」にならなかったのは、それは、私の意見なんだけど、「熱血を(意識しながら)テーマにして、パロディーとシリアスのバランスを往復させる」というようなアニメが存在したからのではないか。
では、本作に入ろう。
第一のは、ストーリー構成は今から見ていれば大きい問題があります。
それは、10話ぐらいまでは話が進まないこと。
おおよそ2010年代の辺り、深夜アニメの数が膨大して、視聴者が益々断念しやすくなった。アニメが多すぎるため。今は3,4話まで我慢して、それから断念する人々が数多い。
「グレンラガン」のシリーズ構成が「10話辺りでの衝撃的な展開から話は本番に入る」 {netabare} (第8話のカミナの死のこと) {/netabare} というふうに仕組まれていたのは明らかである。それまでは、あくまで「世界観を知らせる」、「キャラクターを紹介する」、「わがとんでもない美術を知れ!」というようなシーンばかりが故に、ストーリーがあまり進めないうちに、代わりに視聴者がつまらなさを禁じ得ないだろう。
そして、熱血なキャラクターまたはとんでもない美術や微妙な撮影エフェクトに燃えない人たちは必ず10話まえに落ちるだろう。
当時から考えればそれは問題ではなかった。美術と作画のおかげで残る人々は少なくなく、更にストーリーが面白くなる時でネットと雑誌が盛り上がるに連れて断念したのかもの人々が何となく帰る、と考えられたかもしれない。
だが10年を亘ると、最初のをみて「何これ、ただアニメーターの自慰なんじゃないこれ?」と考える人は多いと思うね。せめて私は初めにそう思った。
8話に断念して、「いつの日か続けるかも」という感じでこのアニメを棚に上げて、多分続かないと思った。
しかしなんとなく、続きを見るにした。そして数話のうちに「このアニメは確かにすごいんだ!」のを悟った。
確かに、数年後「TRIGGER」の根本的な社員になってしまうのに、「天元突破グレンラガン」のスタッフはそもそもGAINAXの人たちなのだ。そのためか、オマージュと意識的なパロディーが溢れている。オマージュについては、特に70年代のロボットとSFアニメに認識が強い。「銀河鉄道」はもとより、「ライディーン」、「マジンガー」、様々な作品が採用されている。
それを明らかにすることは作画であろう。作画と撮影ができるだけ70年代のアニメを真似をして(チョックに似ている線、キャラクターによって違う際立ての扱いとキャラクターデザインの感じ等)、ここは「先端美術を以って我々が70年代の大好きなアニメを蘇ろう!」という認識が非常に強く伝わってくるんだと思った。
まぁ、確かに当時で30,40年代の世代だけがそれを見抜けたはずだと思う。そのためか、「天元突破グレンラガン」は世代を問わずいい成功した作品になった。
あれは最初に述べた「どの世代にものアピールする」現象だ。
今日の世代ではそれは続けるのだろうか?
答え難い質問だが、「天元突破グレンラガン」に溢れた「パロディー感」おかけでそれは可能だと自分は思います。なぜなら構成の全部は「熱血に限りはなし!」、「パワーアップなんて限界はなし!」と言わんばかりにバカバカしい展開を重ねているんだ。それはすごく魅力でした。
あと、そのパロディー性に上、よくできているストーリー、シリーズ構成はあります。確かに、シリーズの後半からストーリーは興味深くなる。テーマ性だけでなく、エンターテイメントとしても優れているストーリーだと思います。馬鹿なキャラクターやシチュエーションは多くても、シリアスになるとすぐにドキドキできるのはその出来事の証だと思う。後半はシリアスに過ぎなくても、まして前半のコメディ感を保っても、確かにこのアニメは「超展開」というタッグに嵌まるんだ。
{netabare} といえども、確かにSFなのですね。最初はロボット以外はあまり観られていないけど、あれは典型的な、そして魅力的なSFアニメなんだ。ただ、2000年代の好みに合わせて、古いネタには「斬新な感じ」を与えようとする。美術はその一旦なので、とんでもない熱血展開もこれに収まる。 {/netabare}
最後に、魅力的なキャラクターが多い。そして、錦織敦史のキャラクターデザインはあまり好きじゃないくても、めちゃくちゃ天元突破グレンラガンの世界観に似合って、逆にキャラクターの乱れきった姿をより魅力的に表させると思う。キャラクター展開は王道と言っても、ストーリーの筋そのものはキャラクターをやはり輝かせる気がする。
要するに、最初に嫌いと思った作品が、結局大好きになってしまいました。TRIGGERのことをちょっとだけ反省したんだ、というところだな。
多様性を保つために、この作品は一応「お気に入り」に入るとします。
まだ全部を見ていないお方はこれを読んでいれば、是非10話まで辛抱して見てほしいんです。