スライムベホマズン さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
緊張感がたまらない!
原作未読。
身寄りのない子たちが集まる孤児院を舞台に、ある秘密を知ってしまった子どもたちが脱走を企てる物語。 {netabare}第一話、孤児院の日常をほのぼのとたっぷり描き、ラストに衝撃的な事実を突きつけるという構成で、完全に見入ってしまった。{/netabare}そこからは秘密を知った成績優秀な、エマ・ノーマン・レイを中心とする子どもたちと、孤児院を管理しているママやシスターとの頭脳戦。毎話ラストの引きは鬼がかっており、そこで終わるの!という風に続きが気になりすぎてしまう。全体を通してカメラワークと演出が素晴らしく、そう言う意味でもヒヤヒヤドキドキが止まらない。
そして最も良かったと感じたのは最終回。{netabare} まさかママであるイザベラの過去を大きく持ってくるとは。最初からエマたちにとっての障害であり、そして最後までエマたちのママだったイザベラ。子どもたちを愛しているけれど、どうやっても子どもたちが生きられない現実に縛られ、抗うことをやめ冷徹な孤児院のママとしてしか生きられなかった彼女が、エマたちの脱走によって解放されたその姿に感動した。「行ってらっしゃい、気をつけてね」と送り出した彼女はまぎれもないエマたちのママだった。{/netabare}
そして{netabare} 最終回はギルダとドン、フィルもよかった。ギルダはエマでさえ気づかなかった他の孤児院の子どもたちも気遣って心配した。ドンは皆の訓練のリーダーを精一杯務めた。脱出本番、ロープを木にかけるところで訓練時とシンクロし、スローモーションになる演出は印象に残っている。そして率先してロープを渡るその姿はかっこよかった。孤児院に残る提案をされたとき「待てるよ」と力強くこたえたフィルは、四歳ながらも強いなと思った。きっと彼ならうまくやってくれるはず。このように主役のエマ・ノーマン・レイ以外のキャラクターも非常に魅力的だった。{/netabare}
グロもエロも物理的なバトルもほとんどない頭脳戦は案外珍しいような気がする。そして心理戦。登場人物たちの葛藤。目標は決まっているはずなのに、親友のため、愛する家族のために、気持ちが行き違えてしまう。そのような人間関係、心情の描き方も素晴らしいと思った。二期も非常に楽しみ!