ガムンダ さんの感想・評価
3.0
物語 : 3.0
作画 : 2.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
その時、ちょっとだけ歴史が動いた
史実の太平洋戦争を題材にしたアニメです。
戦争の各局面における特に日本側の司令官の決断の瞬間を中心に描いた作品です。
クソ真面目なアニメです。
主に日本側の視点を中心にしますが、偏った作品ではなく太平洋の戦史研究入門には良いのではないでしょうか。
多少の脚色は有るようですが、いわゆる太平洋戦争のメジャーな定説をなぞっていますから、定説を抑えるのにはもってこいです。
「艦これ」辺りから興味持った方はどうぞ。
ちょっと巷にあふれる孫子の兵法ビジネス書に似てる気がします。
司令官の決断をどうのこうのと言いますが、大概の場合結果論も良い所で、
ビジネスで事に当たって応用する事など殆ど不可能です。
そんでもって本作品の題材、太平洋戦争の方ですがそもそも孫子の極意は「戦わずして勝つ」であって戦場における決断を云々するより戦争をおっぱじめる決断の方が問題なのであって、その点についてはこの作品では全く扱われません次第です。
要するに国家の興亡は戦場の外の決断にかかっておるのでして、司令官の「決断」など、一パイロットの操縦桿を右に切るか左に切るかの咄嗟の決断とそれ程大局に対する影響度に違いがありません。
もっと言えば司令官の決断を云々する前にその司令官をその職に置く決断は誰がしたんだと。その方が余程重要です。
ではなぜこの様に戦術にフォーカスした作品が作られるのか。
1.いつの時代もミリオタ(≒兵器オタ)が一定数居てウケるから。
2.当時は社会にたくさん軍人上がりが居て反省会のノリでウケたから。
反省会は自分たちの領分を超えた反省は行われない。
と想像します。
もっともこの時期の反省会はリアルで生々しく、のちのガンダム以降(2.の要素が薄れた時代)の様なメルヘンで内向的な甘ったれた戦争ものの気持ち悪さはまだありません。
今でも十分楽しめる作品と思います。
あと、古いを差し引いても絵がヒド過ぎます。
なんでこの時代の劇画ってデッサンがおかしいんだろう?