シャベール大佐 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
いろいろな疑問が吸引力となって、画面から目が離せなくなるSF作品
赤い霧が立ち込める廃墟の世界を舞台にしたSF作品。全12話。
物語は、主人公・りんとその姉妹たちが、わかばという少年とともに、赤虫という謎の敵と戦いながら、水を探して旅をする、みたいな感じ。
観始めると、この世界はなぜ廃墟になっているのか、りんたち姉妹やわかばは何者なのか、赤虫やケムリクサとはどういう物なのかなど、何もかもが謎だらけで、一体この作品は何なのだろう?と惹き込まれます。序盤から中盤にかけてはストーリーに大きな進展はないのに、いろいろな疑問が吸引力となって、画面から目が離せません。ただ、感覚的には、「面白い」というよりも「興味深い」という言葉のほうが近かったような印象で、ずっと観ていても、笑えたり泣けたりというように感情が大きく動かされる場面はあまりなかったです。終盤になって作品の全体像がなんとなく見えてきても、特に感動までには至りませんでした。個々のエピソードで退屈することはなかったですし、キャラや会話も悪くなかったと思うので、もしかしたら、物語の中での謎要素の比重が、ちょっと突出して勝ちすぎていたのかもしれません。
作画は、表情や動きに独特のかわいさがあって好きでした。キャラでは、りなの喋り方が良かったです。EDクレジットの声優の名前が「鷲見友美ジェナ」と書いてあって、読み方がわからなかったのですが、調べたら名字が鷲見(すみ)で名前が友美ジェナ(ともみじぇな)ということらしく、とりあえず覚えました。音楽も悪くなかったです。
最後まで観終わって、強い個性や独創性が感じられて、一風変わった魅力のあるSF作品だったと思います。ただ、個人的な好みとしては、もう少し謎以外の部分にも楽しめる部分が多ければ、もっと親しみが持てたような気もしました。